sinboj_hedline.gif (1986 バイト)

長野朝鮮初中級学校、新校舎建設進む


 創立30周年を迎えた長野朝鮮初中級学校では、8月の完成を目指して新校舎の建設が急ピッチで進められている。新校舎は現所在地の松本市蟻ヶ崎から数キロ離れた同市島内に建てられる。完成すれば、現在の2倍近い6000坪の敷地に鉄筋コンクリート3階建ての校舎2棟、体育館、寄宿舎、大小2つのグラウンド、最新の設備を備えた立派な学校となる。長野道松本インターから徒歩5分と交通の便もいい。移転・新築の総予算は約16〜17億円。工事は現在、建物の外観がほぼできあがった段階だが、先日、現場を見学した同校児童・生徒らは「1日も早く新校舎で勉強したい」などと完成が待ち切れない様子。新校舎には、2学期から入居することになっている。(関連記事)

 

8月完成に向け募金運動に拍車

 総聯長野県本部と建設委員会(名誉委員長=鄭武鎮・県商工会会長、委員長=李源文・同校教育会会長)が中心となって進めている校舎移転・新築事業は、21世紀の地域の同胞社会を視野に入れた長期的な展望のもとで計画された。

 建設から約30年が過ぎ老朽化が進んだ現校舎を部分的に改築するだけでは、十分な教育環境を整えられない状況となったことが直接的な理由ではある。だがそれだけでなく、今後も長野で民族教育を守り、発展させるうえで解決すべき問題を総合的に考慮し議論を重ねた末、移転・新築プランは決まった。

 3年前に建設予定地を決定し、各種の法的問題をクリアしたうえで土地を取得。97年3月に建設委員会が発足し、新校舎建設のための賛助金集めがスタートした。総予算16〜17億円のうち10億円は現校舎の土地の売却金で賄う予定なので、賛助金の目標額は6〜7億円だ。

 3月末までの記帳額は建設委員、活動家らを中心に3億5000万円に達した。目標額まであと約3億円。新校舎が完成する8月まで、長野では全同胞的な募金運動を本格的に行っていく。

 一方、各種チャリティー活動も行われているが、女性同盟東信支部では5月30日、金剛山歌劇団メンバーを招いて民族器楽のチャリティーコンサート「ハナ」を開く。朴遵香委員長(非専従)は「学校なしには、1世たちの有形無形の財産を次の世代に引き渡すことができない。コンサートが、民族教育の重要性を多くの人に知らせるきっかけになれば」と話している。