「2月の芸術の夕べ」、朝・日マジシャンの華麗な共演
金正日総書記誕生57周年を祝う「2月の芸術の夕べ」(主催=同実行委員会、協賛=日本・朝鮮文化交流協会、在日本朝鮮文学芸術家同盟)が2月26日、東京・新宿文化センターで開かれた。16回目を迎える今回は、ともに世界的に有名な日本人マジシャンの引田天功さんと、同胞マジシャンの安聖友さんが出演するイリュージョン(大がかりで幻想的なマジック)の夕べ。総聯中央の許宗萬責任副議長と各副議長、朝・日両実行委メンバー、アルジェリア、カタール大使をはじめ駐日外国公館員、在日同胞と日本市民ら1800余人が魅惑のステージを楽しんだ(関連記事)。
金正日総書記の誕生日(2月16日)に際し、芸術を通じて朝・日の友好親善を深めようと84年以来、毎年2月に東京で開かれている「2月の芸術の夕べ」。ここ数年は、有名演歌歌手など日本のゲストを招き、金剛山歌劇団や各地朝鮮歌舞団の歌手と共演する歌謡ショーの形式だったが、今年はぐっと趣向が変わってイリュージョン・マジック・ショーとなった。
引田さんは、アメリカでアニメや人形まで制作されている世界的イリュージョニスト。昨年4月、平壌で開かれた「4月の春親善芸術祭」で公演して大好評を博し、以来、朝・日親善のためならと各種イベント出演を引き受けている。また安さんは、世界的に活躍する同胞マジシャン。素晴らしい芸と温かい人柄で同胞たちに愛されている。
安さんのイリュージョンはスピーディーかつダイナミック。息もつかせぬ展開で観客の心をつかんだ。また合間合間に巧みな話術で観客を笑わせたり、じーんとさせたり、時には観客を舞台に招いたり。みなが一緒になって楽しめるステージだった。
一方の引田さんは、豪華絢爛な衣装を次々と着替えながら、たくさんの男性アシスタント、女性ダンサーを従え美しい身のこなしで踊るように進めるマジック。力強さの中に親しみのある安さんのステージとはうってかわって、非日常の世界を表現した華麗なレビューショーといった趣向で観客を魅了した。
公演のオープニングとフィナーレでは、東京朝鮮中高級学校高級部舞踊部、関東地方の朝鮮歌舞団、文芸同東京舞踊部も、太鼓とパラ(小さなシンバル)を打ち鳴らす雄壮な朝鮮舞踊で花を添えた。また、有名歌手の司会者として活躍する宇田川公義さんと東京朝鮮歌舞団の金元淑さんが司会を担当。息の合った進行ぶりで観客の拍手を浴びた。
鎌倉市から訪れた竹田ゆかりさん(49、教員)は「朝鮮人としてのポリシーがあるからこそ素晴らしい芸ができるのだと、安さんのマジックを見て感動した。芸術は政治を乗り越えられる。こうしたところから真の日朝友好が始まると思う。もっと多くの日本人に見せたい」と話していた。