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「日本の戦時下での朝鮮人強制連行に関する大阪報告会」


 「日本の戦時下での朝鮮人強制連行に関する大阪報告会」(主催=大阪府朝鮮人強制連行真相調査団)が1日、大阪・中央区のピース大阪で行われ、在日同胞と日本の市民ら380余人が参加した。報告会では中川農林水産大臣が就任直後の記者会見で「従軍慰安婦」に対する「強制連行があったかどうかはわからない」と発言したことに対し「中川農林水産大臣の暴言に対する抗議文」が満場一致で採択された。

 

中川暴言への抗議文採択

 開会に先立ち、ビデオ「癒されぬ傷跡」が上映され、共和国をはじめ、各国の元「慰安婦」の証言が紹介された。

 共和国から訪日した元「慰安婦」の李京生さん(81)と強制連行被害者の金世国さん(72)が、当時の過酷な被害状況について語りながら、日本政府に対し補償と真相究明を訴えた。

 朝鮮人強制連行真相調査団日本人側全国連絡協議会事務局長の空野佳弘弁護士が、前日に行われた東京シンポの報告をした。

 また、「従軍慰安婦」及び太平洋戦争被害者補償対策委員会の孫哲秀副書記長が報告し、「従軍慰安婦」や強制連行は日本政府と軍部による組織的な拉致であり、植民地支配下での朝鮮人抹殺政策だったと述べ、具体的な実例と資料、共和国在住の被害者の証言などを紹介し、奴隷労働の野蛮性を訴えた。

 また、同委員会の梁達柱委員長が会場からの質疑に答え、最近、中川農水相が就任の記者会見で発言した「従軍慰安婦」問題に対する暴言を糾弾し、日本当局は過去の犯罪行為に対し、謝罪し補償すべきだと強調した。

 報告会では大阪府朝鮮人強制連行真相調査団長の岡村達雄関西大学教授が、日本政府はいまだに資料を公開せず隠ぺいしているため、半世紀もたっているにもかかわらず強制連行の真相が解明されていないとしながら、今後も真相究明のための運動を進めるとともに、日朝の関係改善に努めたいと述べた。

 また、報告会で採択された抗議文は、中川農水相の暴言は、歴史の事実を否定するばかりか、これまでの日本政府の初歩的な認識はもちろん、国連決議すら否定するものだとし、日本政府に徹底的な真相究明を求めた。抗議文は、本人と日本政府に送られる。

 また2日、共和国の強制連行、「従軍慰安婦」被害者と「従軍慰安婦」及び太平洋戦争被害者補償対策委員会の梁達柱委員長らが、太平洋戦争末期、日本軍の軍用施設を建設するために朝鮮人が強制労働させられた兵庫県西宮市の甲陽園地下壕を訪れた。(関連記事)