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そこが知りたいQ&A−3紙共同社説の特徴は?

人民生活向上を強調

 朝鮮労働党中央委員会機関紙の労働新聞、朝鮮人民軍最高司令部機関紙の朝鮮人民軍、金日成社会主義青年同盟中央委員会機関紙の青年前衛は1日、「もう一度、軽工業と農業に拍車をかけ、人民生活に画期的な転換をもたらそう」と題する共同社説を発表した。その内容と特徴についてQ&Aで見た。

 Q 今年をどのように位置づけているのか。

 A 冒頭で「希望の年」「新たな繁栄の年」としたうえで、新年2011年を「人民生活大高揚の炎をさらに激しく燃え上がらせ、強盛大国の建設で決定的な転換を起こすべき総攻撃戦の年」だと規定した。

 昨年に続き人民生活の向上を強調し、今年の「総攻撃戦」は「人民生活向上のための大進軍の続きであり、新たな高い段階」であると指摘した。

 昨年については、「強盛繁栄の未来を見通す驚異的な出来事が相次いで起こった壮大な変革の年」だとしながら、党代表者会や党創建65周年慶祝行事などをあげて「わが党と革命の洋々たる前途と不敗性が力強く示された」と総括した。また、「早期に人民生活を飛躍的に高められる道が確固と開かれた」とし、「強盛大国の理想を全面的に実現できる土台が築かれたこと」を成果として指摘した。

 Q 今年の特徴は。

 A 21世紀の最初の10年を総括している部分がある。昨年だけでなく、より長期的視野に立って成果を振り返り、今後の10年間にも言及している。

 これまでの10年を「偉大な勝利の年代」「金日成主席の思想と偉業を固守してきた継承の年代」「強盛大国への威力ある跳躍台を築いた創造と奇跡の年代」だと位置づけた。また、「複雑多難な21世紀の渦の中で、朝鮮は常に世界の焦点に、反帝・自主の最前線になった」としながら、「金正日総書記の精力的な指導に従って、連戦連勝の英雄叙事詩を創造してきたわが軍隊と人民は、さらに輝かしい未来に対する抱負と必勝の信念に満ちている」と指摘した。そして、2010年代も「偉大な勝利の年代として引き続き輝くだろう」と展望し、「勝利の大門が目の前に開かれている」とも指摘した。

 Q どのような課題が示されたのか。

 A まず、来年に迎える主席の生誕100周年に言及し、これを「金日成民族の最上最大の祝日、人類史的大慶事」として迎えなければならないとしながら、今年の課題を示した。

 課題は、共同社説のタイトルにもあるように、人民生活のさらなる向上と強盛大国建設での「決定的転換」だ。

 具体的には、1番目に軽工業をあげ、今年を「軽工業の年」と規定した。そして、人民の好評を博す人気商品、国際競争力を持つ製品を生産することを注文しながら、軽工業の現代化を推し進めることを強調した。

 軽工業に続いて、石炭、電力、金属工業、鉄道運輸、化学工業、農業の順で課題を示している。また、科学技術の発展や自力更生の原則、経済管理の改善などについても指摘している。

 Q 統一問題への言及は。

 A 統一問題でもこれからの10年代について言及。「民族分裂の悲劇を終わらせるべき希望の年代」「統一と繁栄の年代」だと規定した。

 そして、こんにち、わが民族にとって祖国の統一よりも死活的な課題はない、北南間の対決状態を一日も早く解消しなければならないと、いつになく関係改善に強い意欲を示している。

 また、朝鮮半島に作り出された戦争の危険をなくし、平和を守らなければならない、対話と協力事業を積極的に推し進めなければならないと強調した。

 南朝鮮当局に対しては、反統一的な同族対決政策の撤回と6.15共同宣言、10.4宣言の尊重、履行を求めた。

 共同社説で示された方針はさっそく行動に移されている。朝鮮政府、政党、団体は5日、連合声明を発表し、無条件での当局間対話再開を主張した。また、朝鮮アジア太平洋平和委員会や朝鮮赤十字社などは10日、具体的な対話の日程を示すなど、関係改善に積極姿勢を見せている。

 Q 対外関係は。

 A 東北アジアの平和と全朝鮮半島の非核化を実現しようというわれわれの立場と意志には変わりはないとの原則的立場を伝えた。

 昨年は「朝米間の敵対関係の終息」について強調したが、今年は米国について言及自体がない。

 しかし、朝鮮の情勢認識を反映した文面はある。

 昨年は「天安」号事件や西海砲撃戦などで朝米の軍事的対立構図が激化し、朝鮮半島と東北アジア情勢が緊迫したが、共同社説は「昨年に国際舞台で生じた事態は、帝国主義の強権と専横はもはや通じず、自主の道へと進む時代の流れは何をもってしても阻むことができないということを示している」と指摘した。これは、米国の圧力路線が破たんし、対話へと向かわざるをえなくなったとも読める。

 Q このほか注目点は。

 A 「世界」という単語が随所に出てくる。

 昨年の総括の部分では、「朝鮮の気概が全世界にとどろいた」としながら、情報技術(IT)、核技術のような先端科学技術分野で世界を驚嘆させる赫々たる成果が収められたなどを指摘した。

 今年の課題の部分でも、「世界は今、わが軍隊と人民がどんな偉大な奇跡を生み出すのかを見守っている」と指摘。2012年に強盛大国の大門を開くという朝鮮の構想を、転換期を迎えた世界の情勢変化と結びつけ、強盛大国建設を担う人民を鼓舞した。

 課題においても、国際競争力を持つ製品の生産、世界的な人材大国建設、世界的な発展趨勢にふさわしい都市建設などをあげている。

 最後に、「他人が歩んできた段階を一気に飛び越えて世界に浮上」することが朝鮮労働党の呼びかけだとしながら、われわれは、最後の勝利のその日まで力強く前進するだろうと強調した。(姜イルク)

労働新聞、朝鮮人民軍、青年前衛の共同社説(要旨)

[朝鮮新報 2011.1.12]