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WBA世界スーパー・バンダム級タイトルマッチ 李冽理、朝大卒初の世界チャンプに

 2日、東京・後楽園ホールでWBA世界スーパー・バンダム級タイトルマッチが行われ、チャンピオンのプーンサワット・グラティンデーンジム(タイ)に、同級14位の李冽理選手(横浜光ジム)が挑戦。李選手が3 −0で判定勝ちし、チャンピオンベルトを奪取した。

 朝鮮大学校卒業のプロボクサーが、歴史上初めて、世界の頂点に登りつめた。

 試合前、「最強王者が有利」という声は、李選手の応援サイドからも聞こえた。王者にどう挑むのかが、最大のポイントとされていた。

 試合開始のゴングが鳴り響くと、大方の予想通り、チャンピオンの攻撃が李選手に襲い掛かった。アウトボクシングを展開する李選手に対し、チャンピオンはリング中央から、プレッシャーをかけながら、パンチを繰り出した。そのプレッシャーに押されるように、ロープ際、コーナーに追い込まれたが、李選手は素早いダッキングで相手パンチをかいくぐり、2ラウンド以降は自分のボクシングを展開、試合を冷静に進めた。

 チャンピオンの周りを回るように細かいステップを刻みながらカウンターを狙い、接近戦でも果敢に打ち合いを挑むと、5ラウンドには李選手のパンチが相手の左目を切りさいた。

 李選手のスピードはラウンドを重ねても衰えることなく、試合中盤以降は、チャンピオンのパンチが空を切り続けた。

 終盤になると、観客席も李選手の勝利を確信し始め、最終ラウンド(12ラウンド)開始のゴングが鳴らされると、応援席からは「ラスト!」「あと3分で世界王者だ」という声が上がり、ラウンド開始から始まった「冽理」コールは、試合終了の合図まで続いた。

 判定の結果を待つ間、会場は静まり返った。

 「115−114」「115−113」「118−110」。

 アナウンスコールが「新チャンピオン」という言葉を発した瞬間、会場からは「ウォー!」という地響きのような声と万雷の拍手が沸き起こった。アナウンスがかき消されるほどの歓喜の中、李選手が尊敬すると話す、元WBC世界スーパー・フライ級チャンピオンの洪昌守さんがリングに上がり、新王者の左腕を高らかに持ち上げた。

 試合後、リング上でマイクを握った李選手は、「12ラウンドを戦えた自分の体力を誇りに思う」と話しながら、2007年に他界したアボジと08年に息を引きとった横浜光ジム・関光徳前会長の霊前にベルトをささげたいと、涙を浮かべた。そして李選手を応援するために、後楽園ホールを真っ赤に染め上げた観客席に向かい「応援のおかげ」だと、あいさつした。

 「李冽理選手応援会」の車葡月末ア局長(神奈川県川崎地域青商会会長)は、「試合後は涙が止まらなかった。最強と言われた相手に勝ってチャンピンになったことは、本当にすごい」と興奮を隠さなかった。

恩師、梁学哲先生の目に涙 5%の可能性信じ

[朝鮮新報 2010.10.4]