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〈インタビュー〉 日朝友好促進東京議員連絡会訪朝団 江口済三郎団長

今後の活動は「無償化」と「『万景峰92』号」/「国際政治で日本だけが孤立」

 【平壌発=姜イルク記者】7月26〜30日まで朝鮮を訪れた日朝友好促進東京議員連絡会訪朝団の団長である江口済三郎・同連絡会代表世話人に訪朝の感想、今後の活動などについて聞いた。

−昨年10月以来の訪朝となるが。

江口済三郎団長

 昨年10月に訪朝したが、こういう情勢だからこそ、また行こうではないかということになった。

 訪朝の時期は参院選のあとの7月末がよいのではないかと、昨年10月の時点でだいたい方向性が決まった。

 現在、朝鮮半島情勢が極度に緊張している。

 だからこそ人的交流が大事だ。国連などで日本が敵対的な態度をとり、両国関係が悪化しているので、朝鮮側が受け入れてくれるだろうか、むしろそちらの方が心配だった。

−9カ月ぶりに訪れた朝鮮の印象は。

 強盛大国に向けてまい進する人々の力強さをますます感じた。

 印象深かったのは近代化された平壌タイル工場だ。現在は国内需要、将来は輸出というふうに先を見据えている。大同江果樹総合農場も広大な敷地で壮観であった。

 2012年を目指す各分野の目標が着実に進んでいるという印象を受けた。また国全体が2012年という一つの目標を持って動いているという印象を持った。

 移動のバスから見えた農家もきれいな外装がなされていた。平壌の住宅ばかりでなく農村部も生活水準が向上しているというのが垣間見れた。

 たったの9カ月ぶりだが、ずいぶん変わったなと感じた。

−今回の訪朝の意義について。

日朝友好促進東京議連連絡会はさる3月、「無償化」に関する緊急応援集会を主催した

 まず訪朝団を受け入れてくれたことに対して感謝している。

 今回参加しなかった連絡会のメンバーも、全員が今回の訪朝に関心を持っている。訪朝団メンバーは9人で、人数としては少なかったが、訪朝できなかったメンバーも喜んでいると思う。

 情勢は昨年10月よりもっと悪くなっている。最悪の状況の中で日本人が訪朝できたこと自体、大きな意義があると思う。

−面談した朝鮮関係者の現状認識は。

 朝鮮側の対日感情が厳しいと感じる。日本は相手にされない国なのではないのかなとも思った。朝鮮は独自の道を歩み、その結果、日本の存在感はどんどん薄れていると感じる。朝鮮半島を取り巻く国際政治で日本だけが孤立する状況を日本政府自らが作っている。

 ただ、在日同胞がいる。朝鮮の人々は在日同胞の権利問題などを心配していた。

 朝鮮に対して日本が行っている制裁の効果はまるっきりないように感じる。

 本来、制裁を発動した以上は効果を見ないといけない。官僚はそのことを調査するべきだがしていない。制裁は、朝鮮の人々を「日本嫌い」にしただけだ。

−日本国内で連絡会メンバーに対するバッシングはないのか。

 昨年10月に訪朝したメンバーの中には帰国後、街宣カーで騒がれたメンバーもいる。

 しかしそれにめげるメンバーではない。今回の訪朝団も堂々と訪朝し、堂々と帰国する。

 日本政府や「反北朝鮮」の人たちは、朝鮮の悪いイメージを作りたがっている。われわれが来て、実際に見てきたことを広めるのを嫌がる。だからこそわれわれが何回も訪朝しなければならないと思う。

 ここに来たメンバーは、日本で嫌がらせにあっても、士気が下がることなく、本当に力強くなってがんばっている。彼らは、自らの目で見て直接確かめてきたことが真実だと確信している。

 今回の訪朝団のメンバーの中には区議以外の民間人も入った。みんな初めての訪朝だ。「ゆがめられた北朝鮮のイメージ」を持って来た人たちだ。

 しかし実際に来て、いろんなところを見てまわると、日本の報道で聞いたこととはまったく違うと話している。また、地域に戻ってがんばると言っている。

−連絡会の今後の活動について。

 まずは、「高校無償化」問題に取り組んでいく。

 連絡会は民族教育支援を方針として打ち出している。今までも朝鮮学校だけが「無償化」の対象から除外されるのはおかしいとして集会などを開いて、これを撤回させる運動を展開してきた。

 また、「万景峰92」号の渡航を再開させるための努力をしていく。

 この2つの活動を通じて一つひとつ朝鮮との対話の道を開いていきたい。

 朝鮮に対する日本の姿勢を変えないと、すべてのパイプが閉ざされてしまう。

日朝東京議連メンバーが訪朝 9カ月ぶり5回目

[朝鮮新報 2010.8.11]