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「天安」号事件 国防委 「真相公開状」発表

魚雷は鋼鉄合金

 朝鮮の国防委員会検閲団は2日、「天安」号沈没事件に関する「真相公開状」を発表した。公開状は、朝鮮人民軍が保有している魚雷は、南側で指摘されていたアルミニウム合金ではなく「鋼鉄合金材料でつくったチュチェ式魚雷」と説明。米国と南当局がこれまで主張してきた「北関連説」の根拠を根本から覆している。

自らが否定した「北魚雷攻撃説」

 朝鮮側は、米国と南朝鮮当局が「天安」号事件の「北関連説」をねつ造し、対決騒動を起こしたときから、事態の真相を最後まで明らかにする意志を内外に宣布し、国防委員会検閲団の現地調査を提案してきた。

 一方、板門店では7月から事件の真相を解明するための朝米軍部大佐級実務接触が行われてきた。

 しかし米軍側は、朝米による共同調査など朝鮮側が示した一連の方案を受け入れなかった。

 10月27日の第7回接触で朝鮮側は「最後の要求」を示しながら、共同調査を拒否するなら米国と南当局によるねつ造、謀略の正体を暴くとの立場を表明していた。

 公開状によると、もともと朝鮮側は、国防委員会検閲団の現地調査を終えた後、事件の真相を科学的に、正々堂々と世界に公開する予定だったという。

 しかし米国と南当局は、検閲団の現地調査はもちろん、事件現場から回収したというすべての物証を板門店で共同で調査・評価しようという朝鮮側の要求までも拒んだ。

 公開状は、国防委員会検閲団は現地調査を実施できない条件で、これまで提起された資料に基づいてねつ造の真相を明らかにするとし、第1項で「アルミニウム合金魚雷」について記述した。

 米国と南当局は、「天安」号が沈没した水域で引き上げたという魚雷の残骸がアルミニウム合金でできていると説明している。そして、これが「北の魚雷」である物証であり、艦船を攻撃した「北の仕業」とする根拠だと世論に公開した。

 これに対して公開状は、朝鮮人民軍が保有している魚雷は「鋼鉄合金材料でつくったチュチェ式魚雷」で、他の国のようなアルミニウム合金ではないと強調。結局、米国と南当局はこれまでアルミニウム合金の魚雷の残骸が「北の魚雷のもの」だと発表することによって、自らが「北魚雷攻撃説」を否定したことになると主張した。

 公開状によると、国防委員会検閲団は、朝鮮人民軍海軍の魚雷の合金を米国と南当局に渡して対比させるつもりだったという。米国と南当局自らが「天安」号事件の「北魚雷攻撃説」がねつ造であることを認めさせようとしたわけだ。国防委員会検閲団は今回、「今も、チュチェ式魚雷の鋼鉄合金を米国と南当局に直接提供する用意がある」とも表明した。

 公開状はこの他にも、▼強盗さながらのねつ造品、魚雷推進体▼世界を愚弄した魚雷設計図▼無知の決定版「1番」の文字▼強圧による虚偽陳述「水柱説」など、「天安」号事件と関連して南当局が発表した「調査報告書」などの虚偽性を計12項目で暴露している。

 そして、李明博政権が多くの兵士の命を同族対決の生けにえにしながらねつ造した「天安」号事件を通じて、「民族反逆者、同族対決分子、親米事大売国奴の凶悪な正体をさらけ出した」と非難した。

 また、米国は、南当局を謀略、ねつ造へと駆り立てた「演出家」であることを確認させ、極東地域と東北アジアの戦略的利益をさらう詐欺行為をまたも働いたと指摘した。

 公開状は、米国と南当局が発表した「調査結果」の虚偽性を示す資料は数えられないほど多いと強調。今回の発表が1次的なものであるとしながら、米国と南当局が対決騒動を起こせば起こすほど2、3次的に真相を公開すると予告した。

「天安」号事件 南で「米国責任論」浮上

[朝鮮新報 2010.11.5]