朝対委 「韓国併合」100年目の活動 |
過去清算求め国際連帯強化
今年、「韓国併合」100年を迎えた。朝鮮国内では日本の過去清算を求める世論がいっそう高まっている。 朝鮮・日本軍「慰安婦」および強制連行被害者問題対策委員会(朝対委)はこれまでも、日本政府に対し、過去の反人倫犯罪犠牲者とその遺族に対しての謝罪と賠償、関連する資料の公開、反朝鮮、反総聯弾圧策動の即時中止などを求める活動を続けてきた。 朝対委の孫哲洙書記長は、「過去100数年間にわたる日本の対朝鮮政策は、朝鮮民族を抹殺し、分裂、離間させることを目的としてきた」と指摘する。 日本の菅首相は10日、談話を発表。「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、あらためて痛切な反省と心からのお詫びの気持ち」を表明した。しかし、朝鮮政府は「南朝鮮に対してだけ過去を反省し謝罪するとした談話」(外務省スポークスマン)だと非難。「日本は罪悪に満ちた過去に対して朝鮮民主主義人民共和国に謝罪し賠償する義務から決して逃れられない」との立場をあらためて示した。 民間レベルでも具体的な行動計画が進められている。 孫書記長は「日本政府は敗戦から65年になるこんにちまでも、もっとも大きな被害を与えた朝鮮と朝鮮の被害者、遺族に過去の人倫に反する犯罪と戦後の敵視政策について一度も心から謝罪しておらず、一銭も賠償していない。日本の軍事的占領によって日本に移り住まざるをえなかった朝鮮の人々とその子孫に対する民族的な蔑視と弾圧行為を引き続き敢行しており、朝鮮の自主権と人民の人権を引き続き踏みにじっている」と語った。 朝対委は12日、平壌の人民文化宮殿で「日帝の反人倫犯罪被害者たちの証言集会」を開催した。 集会では、日本軍「慰安婦」被害者、強制連行被害者とその遺族、朝鮮に暮らす被爆者などが証言した。証言者たちは日本政府に対して、植民地支配の徹底した謝罪と賠償を必ず勝ち取ると強調し、過去の清算に対する被害者の要求を受け止め、被害者が生存している間に、責任と義務を果たすべきだと言及した。 他団体と緊密な連携 朝対委を含む「日本の過去の清算を要求する国際連帯協議会朝鮮委員会」に網羅された各団体は今年、日本の反人倫的な過去の犯罪に対する国際的な関心と世論を呼び起こすために多様な活動を展開している。 朝対委では現在、各道の人民委員会と連携しながら、日本の重大な人権じゅうりん犯罪を立証することができる強制連行および性奴隷の被害者、被爆者、その遺族や目撃者、関連資料などを探し出すための調査活動を行っている。 今年3月には、3・1人民蜂起91周年に際し、朝対委スポークスマンが談話を発表。また日本の三菱重工業株式会社神戸造船所に強制連行されたファン・ボハクさん名義の抗議の手紙を、朝鮮人強制連行真相調査団を通じて日本の首相に送った。 2月末には、東京大空襲65周年に際して、東京朝鮮人強制連行真相調査団が追悼討論会と集会を開催した。日本当局の対朝鮮制裁によって朝対委代表団の訪日は実現されなかったが、演説文と連帯のメッセージを送った。 また朝対委では、対日賠償を要求する各国の団体と緊密な連携をはかり、積極的に協力し合いながら活動を行っている。 5月中旬には中国・香港で、日本の過去の清算を要求する国際連帯協議会調整者会議が行われた。 会議では7月15日から8月15日までの期間を、日本の過去清算を要求する国際共同行動月間として定めた。そして被害者証言集会、メディアを通じた日本の過去の反人倫犯罪に対する告発、日本大使館への抗議行動と署名運動などの行動計画が決定された。 孫書記長は、「われわれは今後も、国際連帯協議会を含む世界各国の進歩的な団体との連帯を強化し、日本の過去の反人倫犯罪に対する真相調査を引き続き深め、被害者と遺族の恨みを晴らすための活動を展開していく」と指摘した。 年末には、国際連帯協議会年次会議を東京で行う計画があり、各団体と調整中だという。【平壌支局】 [朝鮮新報 2010.8.25] |