北南赤十字会談開催 離散家族の再会に合意 9月26日から金剛山で |
それぞれ100人 【高城発=金志永記者】北南赤十字会談が8月26〜28日、金剛山ホテルで開かれた。会談の結果、北と南は離散家族・親せきの再会を9月26日から10月1日まで行うことで合意した。2007年10月以来中断していた離散家族再会事業が2年ぶりに再開されることになった。
金剛山面会所を利用
会談で発表された合意文によると、離散家族・親せきの団体再会は金剛山離散家族面会所で、家族別再会は金剛山ホテルなど従来の施設でそれぞれ行う。 9月26〜28日に南側離散家族訪問団100人が金剛山を訪れ、北側家族と会い、翌29日から10月1日までは北側離散家族訪問団100人が南側家族と会う予定だ。 また、双方は離散家族問題など赤十字の人道問題を北南関係発展の立場から引き続き協議していくことにした。 会談には朝鮮赤十字会中央委員会の崔成益副委員長を団長とする北側代表団と、大韓赤十字社の金ヨンチョル事務総長を首席代表とする南側代表団が参加した。 北南赤十字会談は2000年の第1回以来、今回で10回目。 26日午後に行われた初日目の全体会議では北と南双方がそれぞれ基調発言を行った。 北側は07年の10.4宣言発表によって自主統一、平和・繁栄の大路に入った北南関係が翌年から悪化し、離散家族・親せきの再会事業も中断した現実は、北南首脳会談で採択された宣言の履行が人道問題解決のためにもどれほど重要なのかを示していると指摘した。 そして、今年の秋夕(朝鮮の伝統的な祝日。今年は10月3日)に際して行われる離散家族・親せきの再開は北南関係改善の新たなきっかけとして、歴史的な北南首脳宣言の最初の履行過程になるだろうという見解を明らかにした。 一方の南測も、離散家族・親せきの問題に対する基本的な立場を明らかにし、秋夕に際した再会行事などの一連の懸案に関する提案を行った。 北側は今回の会談に積極的な姿勢で臨んだ。離散家族・親せきの再会を、分断の傷をいやし民族の和解と統一に向けた雰囲気を醸成する事業として重視するとともに、1年9カ月ぶりに開催された赤十字会談を北南関係改善の新たなきっかけにするために力を尽くした。 南側が離散家族の秋夕再会行事以外の問題を持ち出し、一時は合意が危ぶまれるのではないかと予想されたが、当初の日程どおり28日に最後の全体会議が行われた。 会議では北側の崔成益団長と南側の金ヨンチョル首席代表がそれぞれ合意文を読み上げ、内容を確認した後、文書に署名した。両者は握手を交わし、互いの労苦をねぎらった。 北南関係新局面に ビル・クリントン元米大統領の訪朝や金大中元大統領の逝去に際した北側特使弔問団のソウル訪問など、朝鮮半島情勢と北南関係が新たな局面に入る中で開催された今回の赤十字会談には内外の大きな関心が集まった。 離散家族再会事業の再開はさる8月16日、金正日総書記と南朝鮮現代グループの玄貞恩会長と会見で言及された案件。会見翌日に発表された朝鮮アジア太平洋平和委員会と現代グループによる共同報道文には、「秋夕に際して金剛山で離散家族・親せきの対面を行う」との項目が含まれた。 今回の赤十字会談では、再会行事のための実務的な問題が協議された。 2000年の6.15共同宣言を機に始まった離散家族の再会事業は07年まで16回にわたって実施された。昨年の李明博政権発足後、北南関係が悪化し、人道問題事業も中断された。赤十字会談も07年11月の第9回会談以来開かれていなかった。 第9回赤十字会談では、次回の離散家族再会行事を当時建設中だった金剛山面会所で行うことが話し合われた。金剛山面会所は昨年7月に完成したが、この間一度も使われることはなかった。26日から行われる離散家族の再会行事で初めて利用される。 [朝鮮新報 2009.9.2] |