朝大体育学部、法律学科創設から10年 同胞社会に幅広く貢献 |
「高いスキル、熱いハート」 朝鮮大学校に体育学部と政治経済学部法律学科が新設されて10年が過ぎた。その記念集会が11月1日と21日にそれぞれ朝鮮大学校で行われた。朝大の学部、学科が改編された1999年当時、入学式で関係者たちは「同胞社会に貢献する専門家、国際舞台で祖国と民族の名を轟かせる人材をより多く輩出していくための大きな転換点になるだろう」と、未来を描いた。それは現実となり、その後朝大は祖国愛、民族愛を持ち高い専門知識と技術を身に着けた有能な人材を数多く送り出した。卒業生たちはその活動領域を新しい分野へと日々広げ続けている。
「無から有を創造」
卒業生らによる実行委員会が企画した法律学科創設10周年記念集会には、張炳泰学長をはじめ教員と在学生、卒業生ら約200人が参加。法律学科の創設と発展に貢献した教員、関係者らに感謝し、在学生たちにエールを送る場となった。 1部のシンポジウムでは、 「在日朝鮮人を取り巻く人権問題の現況と法律学科の役割について」というテーマで、法律学科講座長の朴三石・政治経済学部副学部長、在日朝鮮人人権協会の金東鶴事務局長、法律学科で講師を努める李春熙弁護士が発言した。また、卒業生たちが経験を語るリレートークも行われた。 民族教育は60年の伝統を持つとはいえ、その体系内で法律の専門家を育てるということはとても難しい状況だった。 しかし、在日朝鮮人と民族教育の権利を拡充するためには、祖国と民族を知り、同胞社会の現状と志向を理解した専門家たちを育てなければならないという要求から、朝大は果敢にも「未開拓分野」に歩を踏み出した。 当時の政治経済学部学部長と法律学科講座長を中心にした教員、関係者たちは、講座を日本の大学に劣らぬ内容と講師陣容で固め多くの学生たちを募集するために奔走した。同時に、朝大卒業生の中から法学の授業を受け持つ人材を育てあげた。そのほか、多くの法律関係の同胞専門家、日本の大学教授たちから支持と協力を得た。 朴副学部長は「まさに無から有を創造する過程だった。民族教育は同胞社会に貢献する明確な志向を持った法律専門家を自らの体系内から生み出すことができるようになった」と強調した。
指揮者の自覚を
10年間に法律学科を卒業した学生は100人以上。そのなかから、弁護士3人、公認会計士1人、司法書士1人、行政書士6人を含む有資格者たちが生まれ、同胞の生活と権利を擁護するために現場で活躍している。また、それに続けと国家資格取得を目指し勉強に励んでいる在学生も多い。 朝青などさまざまな団体、総連機関で活動する卒業生も多い。 朝青大阪・西大阪支部の許将志委員長(2期卒)は「在日朝鮮人の歴史の根本には人権問題がある。法律の知識は、同胞と接するうえで大きな助けになっている。卒業生たちは在日朝鮮人運動の指揮者としての自覚を持ち活動してほしい」と語った。 同胞社会に貢献するという明確な志向を持っているのが、朝大生の長所であると日本の大学教授らも強調する。李春熙弁護士も「スキルとハートの両方を持つことが重要だが、スキルがあってもハートのない人が多い。朝大出身者は他の人が持たない熱いハートを持っている」と述べ、卒業生や在学生たちを鼓舞した。 2部の宴会では、法律学科の発展に貢献した来ひんらがあいさつした。また、法律学科卒業生として初めて弁護士になった金敏寛、「明玉さん(ともに1期卒)が朝大同窓会奨励賞の賞金で購入した法学専門図書100冊を母校に寄贈した。 法律学科4年の李世燦さんは 「多くの先生、先輩、日本人士たちの尽力と協力があって法律学科が発展してこれたということを実感した。先輩たちのように在日朝鮮人運動に貢献できる人材になれるよう学んでいきたい」と語った。 実行委員長の皇甫泰伸さん(司法書士、1期卒)は、教員や来ひんらに謝意を述べながら、 「法律学科の基礎は固まった。これからも在日朝鮮人運動の未来を担う人材を育ててほしい」と述べ、その先頭に卒業生たちが立ち、まい進する決意を披露した。(李泰鎬記者) [朝鮮新報 2009.12.7] |