超党派地方議員交流会 日朝国交正常化機運 地域から |
第5回全国地方議員交流会in東京が8月20、21の両日、東京都荒川区のホテルなどで開催され、北海道から沖縄まで、超党派の百数十人が参加した。交流会では、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センターの武者小路公秀所長が講演し、アジアの共生と日朝国交正常化の重要性を提起した。また、日朝友好促進をすすめる23区議員連絡会代表世話人の江口済三郎・中野区議が活動について報告した。交流会では、全国の地方議員328人が賛同する日朝国交正常化の早期実現を求める地方議会に向けたアピール文(別掲)が採択された。 植民地主義に反対を 武者小路所長
武者小路所長は、米国の「反テロ戦争」と日本の格差問題や居住地域での問題を、新植民地主義として大局的に結びつけて考えなければならないと問題を提起した。 武者小路所長は、米国がイスラエルと日本を「不安定の弧」の両端に置き、イラクと東北アジアで軍事展開しながら中国とインドの市場の支配を狙っていると指摘。これを米国の「ネオソフト路線」による作戦だとし注意を促した。 そして日本の「ネオソフト路線」は、米国の作戦に協力していると見せながらアジア諸国を経済的支配下に置き、植民地的な従属関係を作ろうとするものではないかと疑念を表した。
また、日本の格差問題や貧困問題について「たこが自分の足を食べる」ような新しい植民地支配主義だと批判。小泉改革以降の「何でも自由化、民営化」、地方切り捨てについて、新自由主義であり米国との「心中主義」だと揶揄した。さらに、こうした日本政府の対米追従姿勢について「米国に食べさせてもらって他国を支配し得をする知恵だけはもっているようだ」と皮肉った。 そして、日本、英国、オーストラリアの三つの島国だけが米国に忠節を尽くし続けていると批判。中国とロシアの対米自立態勢作り、アラブ諸国内での反「反テロ戦争」気運の高まり、中南米での自立結束などを挙げ、米国の「ネオソフト路線」、植民地主義を本質とした「反テロ戦争」に反対していかなければならないと指摘した。 最後に、地域間、地域内格差や貧困問題、民族教育や在日コリアンに対する弾圧問題についても言及し、日本のなかからの共生がまず必要だと訴え、国内外でのこうした植民地主義に反対し、その中で日本国家と日本市民が歩調をそろえることでアジアの共生や日朝国交正常化が初めて可能になると指摘した。 交流、草の根から 江口区議
「地方議員としてすすめる日朝友好運動」について報告した江口区議は、1976年、超党派による日朝友好議員連盟の発足以来、民族教育支援や金剛山歌劇団の公演などを通じて在日朝鮮人と交流してきた経験について語った。 「人間としての交流、付き合いを深めていくべき」と語る江口区議は、中野区での交流経験に基づいて、2年以上の準備期間を経て2002年に都内20区約80人で今の日朝友好促進をすすめる23区議員連絡会を結成した経過についても語った。 また、朝米関係が改善されるなか日本だけが6者協議からはずれていっていると指摘、日朝国交正常化が北東アジアの平和のために有益だと知りながらも国会議員は誰も取り上げないと批判した。さらに、水害を被っている朝鮮に対する支援に各国が着手しているにもかかわらず、日本だけが何もしていないと安倍政権の一辺倒な強硬姿勢を批判した。 江口区議は「朝鮮は一番近い国、歴史的つながりがある国。一日も早く国交を結び、いつでも行って平壌冷麺が食べられるようになれば」と願いを語り、地方の草の根からこの問題を取り上げていこうと訴えた。(李泰鎬記者) [朝鮮新報 2007.8.27] |