安倍政権と警察当局の総連傘下団体に対するファッショ的強制捜索を断罪糾弾 在日本朝鮮人中央大会 |
政治弾圧はねのけ、21全大会輝かそう/激しい憤り、不屈の闘志
既報の通り4月25日、安倍政権と警察当局は30数年前の「拉致事件」を新たにデッチ上げ、東京都文京区の朝鮮出版会館にある在日本朝鮮留学生同盟(留学同)中央本部事務所と以前あった朝鮮問題研究所事務所に対する強制捜索を行った。この政治弾圧以外の何ものでもない不当な捜索と関連し、読売新聞は事実無根のねつ造記事を掲載し世論操作をするという「言論テロ」で加担した。こうした中、2日「安倍政権と警察当局の総連傘下団体に対するファッショ的強制捜索を断罪糾弾する在日本朝鮮人中央大会」が東京・神田の日本教育会館(一ツ橋ホール)で行われ、総連中央の徐萬述議長と許宗萬責任副議長をはじめ活動家、各階層の同胞が参加した。 会場は、不当な弾圧に怒りと憤りを隠しきれない1000人をこえる同胞らで満ちあふれた。 「安倍政権と警察当局は総連と在日同胞に対する陰湿で凶悪な政治弾圧を即時中止せよ!」「警察当局は留学同と朝鮮問題研究所からの押収物を即時返還し謝罪せよ!」と書かれた横断幕が掲げられた大会では、開会に先立ち強制捜索の現場を収録した記録映像が上映された。あらためて政治弾圧の光景を目のあたりにした会場のあちらこちらから「ここまで悪質になれるのか」「ひどすぎる」との声がもれた。
「ファッショ的強制捜索を断固糾弾する!」とのスローガンが叫ばれる中、開会が宣言されるといっせいに拍手がわき起こり、しばし鳴り止まなかった。 大会では李沂碩副議長が報告を行った。 副議長は始めに、日本当局による総連傘下団体に対するファッショ的な強制捜索が行われ、読売新聞が総連中央指導部に対し謀略的報道を行ったことに対し激しい憤りと強い敵愾心を抱きここに集まったと述べ、4月25日という日を意図的に選び行われた強制捜索を政治的弾圧、謀略的報道を言論テロと断定し、断固糾弾した。 そして、日本当局が新しい「拉致事件」をデッチ上げたこと自体が不当であるにもかかわらず、それとはなんら関係のない留学同と朝鮮問題研究所に対し大々的な強制捜索を敢行し、300余人の機動隊を投入してこれに抗議する同胞たちを威圧し、暴力を振るったたばかりか、康景翊同胞に集団的な暴行を加え逮捕したことは絶対に許すことはできないと述べた。 さらに、強制捜索と言論テロは総連組織に「犯罪団体」という汚名を着せ同胞たちに不安と疑心を植え付け愛族愛国組織からの離反を促し、社会からの排除を狙った前代未聞の政治弾圧だと指摘し、暴圧と人権蹂躙、謀略報道を即時中止することを強く求めた。 最後に一連の捜索、報道は今月に予定されている総連第21回全体大会を妨害し破綻させることを狙ったものであると強調し、信念と団結の力で安倍政権と警察当局の政治弾圧をはね退け、全体大会を名実ともに勝利と団結の大会として輝かそうと呼びかけた。 報告に続いて元国連大学副学長で大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター所長の武者小路公秀氏、「自主・平和・民主のための広範な国民連合」事務局長の加藤毅氏、同胞法律生活センター所長の洪正秀弁護士が来ひんのあいさつをした(要旨別項)。 大会では、不当に拘束された康景翊同胞から送られてきた手紙が紹介されたあと、留学同中央の趙斗城委員長、朝青中央の鄭致雲副委員長、女性同盟中央の金錦汝子女部長が討論。また康同胞の夫人がその心情を語り無罪釈放の日まで、力を合わせ闘っていくと訴えた。 最後に、抗議要請文および抗議団構成に関する提議が満場の拍手のもと、採択された。 ◇ ◇ 康同胞の「逮捕」の一報を聞きつけて大会に駆けつけたという鄭宏彰さん(25)は、康同胞の教え子である。鄭さんは「冷静沈着で正義感の強い先生が捕まったと聞いて驚いた。でも私たち同級生は今、この大会に参加しそれが不当な逮捕であることを確信した。真実を伝え広め、気持ちをひとつにし、ともに闘っていきたい」と語った。 東京都北区のオリニサークルでともに活動し、朝鮮大学校時代から康同胞の夫人をよく知る黄福順さん(32)は、われわれ在日朝鮮人がなぜこんなにも不当な仕打ちをうけなければならないのかと憤りながらも、夫と組織を信じ壇上で気丈に振る舞う夫人の姿を見て、「自分が同じ状況ならどうしていただろう…」と述べながら「自分も5歳の子をもつ母親として共に闘っていきたい。われわれがひとつに集うとき、とてつもなく大きな力が生まれ、必ず勝利する」と確信していた。 また、東京大学3年のある同胞学生は「警察当局の弾圧がこれほどひどいとは…。弾圧に負けずに総連や留学同を守っていかなければならない。留学同の活動をみんなで盛り上げていきたい」と語った。【取材班】 [朝鮮新報 2007.5.9] |