松本で統一支持運動全国集会 戦争につながる朝鮮制裁反対 在日朝鮮人への人権侵害許さない |
各地から270人参加、集会アピール採択 朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会(以下、日本委員会)結成30周年記念朝鮮統一支持運動第24回全国集会(主催=日本委員会、朝鮮統一支持長野県民会議)が21、22の両日、長野県松本市で開催された。朝鮮の核実験(9日)に対する国連安保理の制裁決議、日本国内での異様ともいえる反朝鮮騒動など厳しい状況下ながらも、集会には各地で朝・日友好運動を繰り広げている日本市民、在日同胞ら270人が参加した。2日間にわたる集会では全体集会(初日)、シンポジウム(2日目)が行われ、朝鮮に対する制裁措置に断固反対し、日朝国交正常化交渉の再開などを強く求めたアピールが満場一致で採択された。 運動課題は不変
全体集会(松本勤労者福祉センター)は、長野朝鮮初中級学校生徒らによるオープニングセレモニーで幕を上げた。 杉本文男・日朝松本市民会議会長が開会のあいさつをし、困難な情勢の中でも各地で統一支持運動を繰り広げ集会に集ってくれた参加者に謝意を述べた。 つづいて槙枝元文・日本委員会議長、清水勇・長野県民会議会長がそれぞれ主催者あいさつをし、「これまでも集会は真摯で活発な討論によって意義ある場となってきた。今集会でも議論を深めてほしい」(槙枝氏)、「日本委員会結成30周年を迎えるが、私たちの運動課題は不変だ。朝鮮統一支持、日朝国交正常化のための運動を引き続き力強く推し進めていこう」(清水氏)と述べた。 また、徐忠彦・総連中央国際局長が来ひんのあいさつをし、逆風と困難を乗り越え、集会が各地からの多数の参加者のもとに盛大に開催されたことに、総連中央常任委員会を代表して熱い友情と連帯のあいさつを送った。そして、6者会談の9.19共同声明(2005年)を同時行動原則に従って履行さえすれば、朝鮮半島の非核化は実現できると指摘しながら、米国に朝鮮との直接対話を、日本政府には制裁措置の即時撤回と在日朝鮮人の人権と生活権の保障を強く求めた。
あいさつ後、朝鮮の対外文化連絡協会から寄せられた日本委員会結成30周年を祝う旗を主催者側に伝達した。 集会では、北川広和・日本委員会代表委員が基調報告をした。 報告はまず、全国集会の中心母体である日本委員会結成から今年で30周年を迎えたことに触れながら、長年にわたり進めてきた「自主的平和統一を支持する運動」を統一実現の日まで継続することを確認した。 また、6者会談が再開できない原因は米国にあるとしながら、ブッシュ政権は金融制裁を解いて、9.19共同声明実現のための協議に応じるべきだと主張。さらに日本政府に対し、米政府に追随して行った朝鮮に対する制裁措置をただちに取り止めて6者会談や国交正常化交渉に真摯に臨むよう促した。 最後に、「私たちは、保守、反動色の濃い安倍政権と正面から向き合い、政権批判を強めるとともに、過去清算に基づく日朝国交正常化の早期実現を求め、日朝国交正常化と南北平和統一の実現を基盤とした東北アジアの非核、平和実現のために力を尽くしていこう」と呼びかけた。 基調報告後、鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授が「朝鮮統一支持運動の今日的課題」というタイトルで記念講演を行った。 同日夕には、市内のホテルでパーティーが開かれ交流を深めた。 活発な意見交換 2日目のシンポジウムでは「アジアとの共生」(鎌倉氏)、「民族教育の現状と課題」(金東鶴、在日本朝鮮人人権協会理事)、「歴史認識と戦後補償」(塩入隆、長野県短期大学名誉教授)、「日朝関係の現状と国交正常化」(金明守、総連中央参事と吉田康彦、大阪経済法科大学教授)をテーマにそれぞれ発言が行われたあと、質疑応答があった。拉致および核問題の行方、「メディアの北朝鮮たたき」への対応などについて活発な意見が交換され、議論は予定時間をオーバーして3時間近くにもおよんだ。 最後に、満場一致で集会アピールが採択された。アピールは、「戦争につながる危険な制裁措置に断固として反対」「在日朝鮮人の人権侵害を絶対に許さない」と強調。日本政府に「6者会談と日朝国交正常化交渉の再開に向けて努力」するよう求めた。 閉会あいさつをした清水潤、横堀正一両日本委員会代表委員は、今集会を糧に各地で活発な活動を展開し、その成果をもって来年また再開しようと語った。(姜イルク記者) (関連記事) 〈朝鮮統一支持運動第24回全国集会〉 運動の継続確認、停滞克服を誓う 〈朝鮮統一支持運動第24回全国集会〉 徐忠彦 総連中央国際局長の発言要旨 [朝鮮新報 2006.10.25] |