EU議会ギリシャ代表に意見書提出 平和遠征隊、「人権大会」の不当性訴え |
22〜23日にベルギーのブリュッセルで第3回「北朝鮮人権国際大会」が開催された。同大会は米フリーダムハウスが主催したもので、「北朝鮮人権法」(HR4011)に基づき米国務省が資金支援を行っている。20日にソウルを出発した朝鮮半島の自主と統一のための国際平和遠征隊(以下朝鮮半島平和遠征隊、ハン・サンリョル団長)は大会の不当性を訴えるための活動を21日から現地で行った。 「脱北者聴聞会」にも反対 ソウルから現地入りした遠征隊は全78人。ハン・サンリョル団長ら2人は22日、欧州議会(EU)でEUギリシャ代表のタナシス・パピリス世界平和委員会事務総長と面会した。 ハン団長は、22日の「北朝鮮人権大会」と23日のEU内での「脱北者聴聞会」に反対を表明。朝鮮半島の自主と平和、統一の声を国際社会に伝えるためにここを訪れたと語った。ハン団長はこの場で、南朝鮮内144の進歩団体の連名による意見書(別項)を提出した。 パピリス代表は「米国の民主主義拡散というスローガンが、むしろ全世界の平和に害を与えている」として、人権を武器とした米国の一方的覇権政策に反対の意思を表明した。 しかし、こうした考えの持ち主はまだ少数であることも確かだとして、「EUで朝鮮半島平和遠征隊の意思を拡散させる方法を全員で考え実践していかねばならない」と語った。 ハン団長は意見書をEU議員たちに伝えてくれるよう要請。パピリス代表は各議員にEメールで送ることを約束した。遠征隊とパピリス代表は、大規模な聴聞会は難しいまでも中小規模の会議は開催できるよう互いに努力することで意見の一致を見た。 朝鮮半島平和遠征隊は同日午後、駐ベルギー米大使館前で「朝鮮半島の戦争政策反対、対北人権政治攻勢反対糾弾大会」を開いた。同日夜にはインターナショナルセンターで「米国の一方的覇権政策糾弾、朝鮮半島自主と平和のための国際大会」が開かれた。 一方、21日にはブリュッセルのラ・ブルス駅近くで文化祭を催した。 朝鮮半島の自主と統一を願う歌で始まった文化祭では、チャンゴや踊りなどが披露された。 通りがかりの市民たちも足をとめて眺めていた。妻がコリアンだというある男性は遠征隊の活動に対して、「ビクトリー」「ノーウォー、ノーブッシュ」を共に叫び、連帯の意思を示した。 ソウル青年団体協議会のソン・ヒョンソク議長は、「世界の誰にも、人権と米国式自由と民主主義を強要する資格はない」として、「北をはじめとする各国に人権を強要することは、全世界を米国の手中に収めようとする暴力的欲望」だと主張。「北朝鮮人権大会」の真意も米国式自由と民主主義をより拡散させるためのものだと主張した。 「最悪の人権蹂躙国は米」 このパフォーマンスに先立ち、遠征隊メンバーは21日、ベルギー市内のホテルで「朝鮮半島平和遠征隊、ブリュッセル遠征闘争」を宣言する記者会見を開いた。 記者会見文を朗読したハン団長は、「米国の一方的覇権政策が緊張と戦争の危険性を助長させているのとは逆に、6.15共同宣言以後、南と北は平和と統一のために努力している」として、「北は軍事境界線から5キロメートルしか離れていない開城を、南北の共同工業団地用に提供した。すでに南北合作の品が生産されている。この5年間は南と北がこれ以上戦争を願わず、相互協力のもとに朝鮮半島の平和を定着させ、統一を実現するとの意志を、現実の中ではっきり証明してきた過程であった」と繰り返し強調した。 チャン・スギョン反米女性会執行委員長も、昨日の3月20日は米国がイラク侵攻を開始した日だとして、戦争と殺傷を繰り返す米国こそ最悪の人権じゅうりん国だと指摘した。 民主労総のキム・ヨンホ対外協力局長は、「米国とEUは人権を政治攻勢に利用する動きを中断すべき」だと主張し、「北に対する人権圧迫と、それに伴い発生する政治、軍事的緊張は、南北を全部合わせた朝鮮半島の7千万民衆の人権を根本的に破壊する行為」だと述べた。 この日の記者会見には、遠征隊に加え、欧州在住の同胞100余人が参加した。 [朝鮮新報 2006.3.27] |