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最高裁 康永官・元財政局長に有罪確定判決 東京で活動家、同胞らが糾弾集会

総連弾圧狙った政治裁判

9月29日に東京で行われた「康永官・元財政局長に対する最高裁判所の不当判決を糾弾する集会」

 「康永官・元総連中央財政局長に対する最高裁判所の不当判決を糾弾する集会」が9月28日、東京の日本青年館で行われた。

 総連中央常任委員会の許宗萬責任副議長、高徳羽副議長兼同胞生活局長、「眞求事務総局長、崔秉祚顧問、在日本朝鮮人人権協会の柳光守会長、関東地方の活動家、中央団体・事業体の職員、同胞らが参加した。

 まず、担当弁護士である金舜植弁護士が今回の判決に関する真相報告を行った。

 金弁護士はこれまでの裁判の経過などについて説明。高等裁判所判決に対する上告を棄却、懲役6年を言い渡した最高裁の決定は、1、2審の判決を1度も公判を開かずに踏襲した不当なものであると指摘した。また、検察側の供述調書や保釈決定の取消をはじめとして裁判過程で明らかになった問題点に言及したうえで、今回の裁判は司法の原則を無視した政治的な裁判だと指摘した。

 つづいて高徳羽副議長が集会報告を行った。

 高副議長は、捜査当局が朝銀破綻を口実に金融経済犯に対する捜査としては異例の24人を逮捕、140余人を延べ750余回にわたり「事情聴取」し、総連の各級機関と朝銀、個人の自宅など59カ所を対象に72回もの強制捜査を行ったと指摘。この過程で作り上げた虚偽の陳述を基にして康永官・元財政局長に対する「業務上横領罪」を巧妙にねつ造したことを明らかにした。また、「横領金」が入出金された仮名口座の開設と管理が主要な争点となった今回の事件における捜査当局の主張の問題点に言及し、今回の事件が、朝銀問題と総連を結び付け、総連中央を強制捜査することによって組織の威信を傷つけることを目的とした政治弾圧だと非難した。

最高裁の不当判決を糾弾する集会 参加者ら

 そして捜査当局が事前に作成した調書のみに依拠し、無罪を立証する物的証拠や証人尋問も無視した最高裁の決定は、「証拠裁判主義」に完全に違反するものであり、今回の裁判がひとつの「政治裁判」、司法の独立性を喪失した暴挙であると非難した。

 一方、高副議長は、当局が至急に治療を受けなければならない状態にある康氏の保釈を最後まで認めなかったことも問題視した。

 高齢のうえに持病もある元財政局長の保釈請求を23回も棄却にした司法当局の措置を、非人道的な人権蹂躙行為だと非難、緊急に手術を要する元財政局長を日本国憲法と国際人権規約に従い一日も早く病院へ移送し、治療するよう強く求めた。

 また、「万景峰92」号の入港禁止や総連施設に対する固定資産税の減免措置取消、総連施設に対する破壊、放火、脅迫行為、朝鮮学校生徒への暴行、暴言など、日本当局と右翼反動勢力の弾圧が以前とは違う新しい様相を帯びた危険な段階に至っていると指摘、今回の決定がこのような弾圧と時を同じくして出されたことは決して偶然ではないと強調した。

 そのうえで日本当局に対し、朝鮮と総連、在日同胞に対する弾圧と人権蹂躙を即時中止するよう求めた。

 また、今回の最高裁決定の不当性を内外に広く知らせ、元財政局長と家族を激励する活動をこれからも全同胞とともに繰り広げていくと述べた。

 つづいて総連神奈川県本部の鄭喜Q委員長、朝青中央の呉泳哲委員長、人権協会の柳光守会長、商工連合会の呉載世理事長がそれぞれ発言した。報告や発言の合間には、最高裁の不当な決定を糾弾するスローガンが叫ばれるなど、参加者らは強い抗議の意思を表した。

 集会の最後には、獄中にいる康永官・元財政局長からのメッセージが読み上げられた。

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康永官・元財政局長からのメッセージ

[朝鮮新報 2006.10.2]