そこが知りたいQ&A−第5回6者会談第1ラウンドが開かれたが
各国が共同声明履行案示す
第5回6者会談第1ラウンドが9〜11日、北京で開かれた。第4回6者会談での共同声明発表後に初めて開かれた会談で何が話し合われたのか。Q&Aで見た。
Q 今回の会談では何が話し合われたのか。
第5回6者会談第1ラウンドに臨む各国代表 [写真=聯合ニュース] A 会談終了後、北京の朝鮮大使館で記者会見した朝鮮側代表団団長の金桂官外務次官は各国が共同声明履行のための自らの提案を提起したことを明らかにした。議長声明(別項)にも「共同声明をどう履行するかについて方案を示した」と明記されている。
ここで強調しておかなければならないのは、「言葉対言葉」「行動対行動」の原則に沿って、つまり「同時行動原則」で共同声明を段階別に履行することが再確認されたことだ。
14日に行われた放送記者クラブ招請討論会に参加した鄭東泳・統一部長官は、第1ラウンド会談で「北が核廃棄と関連した行程表(ロードマップ)を示した」と指摘。「その5つは核実験保留、核移転禁止、核の追加生産禁止、検証を通じた核活動の中止および廃棄、NPT(核拡散防止条約)への復帰などの段階的方式」だとしている。
Q 朝鮮側は、米国による資産凍結、金融制裁などについて強い調子で批判したとされるが。
A 米財務省は10月21日、「大量破壊兵器の拡散に関わった」として朝鮮の貿易会社など8社を制裁すると発表した。これに先立ち「偽ドル流通」にマカオの中国系銀行が関係しているとの指摘もされた。この銀行は朝鮮との取り引きを中断した。
朝鮮外務省スポークスマンは10月24日、これらは米国による圧力キャンペーンだと非難し、第5回6者会談で米国の責任を追及すると明らかにしていた。朝鮮側はこの指摘どおり、今回の会談で金融制裁の解除を強く求めた。当初は北が会談とは無関係な話を持ち出したと指摘する向きもあったが、「制裁は共同声明の精神に違反するだけでなく、われわれが共同声明における公約を履行できなくしている」(金外務次官)というのが朝鮮側の主張だ。金次官によると、「各国はわれわれの主張が妥当であることを認め、交渉を通じてこの問題を解決しなければならないとの立場を示した」という。
朝鮮側の主張が妥当と言えるのは、「同時行動原則」に基づいて共同声明を履行するには、何より信頼構築が切実であるからだ。
韓国代表団団長の宋旻淳外交通商部次官補は今回の会談で、「われわれを含め何カ国かの代表団は、言葉を行動に移す過程として初期段階に信頼を構築する措置を検討しようと提案した」と述べたが、これもそういう脈絡によるものであろう。
Q わずか3日間の開催で休会に入ったが。
A 外交日程が詰まっていることが関連しているのではないか。直後にアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催されたこともあって、3日間で休会に入ることは当初から予定されていた。
Q 今後の見通しは。
A 議長声明は、可能なかぎり最も早い時日に第2ラウンド会談を開催するとしている。共同声明をどう履行するかという具体的な話し合いだけに、それほど簡単にはことは進まないのは当然だ。問題は会談がいつ開かれるのかではなく、どんな結実をもたらせるかだといえる。朝鮮側は、休会中に双務会談を積極的に行う(金次官)としている。さまざまな双務会談が本番での成果を促すものとなろう。
言い換えれば、決裂するのではなく、継続して開かれていることに意味がある。(文聖姫記者)
[朝鮮新報 2005.11.18]