総連新潟県本部、祖国往来記念館の固定資産税減免撤回取り消し求め提訴 新潟市に公益性認めよ |
総連新潟県本部と祖国往来記念館に対する固定資産税及び都市計画税減免措置を新潟市が撤回、課税したことは不当だとして、総連県本部と祖国往来記念館管理会は3月25日、同市にその取り消しと税の減免を要求する訴訟を新潟地裁に起こした。同日、祖国往来記念館で記者会見が行われ、代理人の古川健三弁護士と総連新潟県本部の金鐘海副委員長が参加した。 訴状によると、歴代の新潟市長らは新潟県本部と祖国往来記念館に対して、1982年頃から朝鮮の在外公館にあたるものとして、また日朝両国の親善友好関係に資する施設と認め、新潟市税条例第67条1項2号の「公益のために直接専用する固定資産」に該当するとして固定資産税等を減免してきた。 ところが、2003年度に至って、新潟市は突然、これまで十数年余にわたって行われてきた固定資産税等の減免を撤回した。 04年度になると、市側は減免措置の撤回を改めないばかりか、祖国往来記念館管理会に対する減免割合を著しく低下させた。03年度には95%であったものが、04年度には1.6%と、税額は約18倍にも増加した。 総連県本部などは同処分を不服として、昨年6月、市に対し異議申し立てをしたが、同年12月に棄却された。 だが、訴状にもあるとおり、総連県本部会館と祖国往来記念館は、朝・日国交正常化がいまだなされない中で、朝・日を結ぶかけ橋として、きわめて重要な外交上の意義を有している。 古川弁護士は、「税金に関して個人の政治的判断が入り込む余地はないはずだ。記念館については04年度税額が03年度の18倍になるなど明らかに異常」と述べた。 金副委員長も、「総連はこれまで同胞の権利擁護、平和統一、日朝友好と国交正常化のために50年間活動してきており、その方針は変わらない。本部会館では同胞からのいろんな相談を受け付け解決してきた。昨年の中越地震の際には、付属している倉庫が全国から送られてきた支援物資の集荷場所として利用された。日本の市民が参加するハングル講座も行っている。こうした事実を踏まえ、公益性があるのかないのか、十分に考えてほしい」と主張した。 訴状は、記念館が国交のない朝・日間の往来を支援するための諸事務手続、朝鮮訪問者の荷物の受け入れ検査、訪問者への注意事項の説明などを行う場所、出発までの休憩地として利用されており、施設利用にあたっては何らの対価も徴収していないと強調した。 (関連記事) [朝鮮新報 2005.3.31] |