そこが知りたいQ&A−今年の3紙共同社説の内容は? |
Q 1日、朝鮮で恒例の労働新聞、朝鮮人民軍、青年前衛の3紙共同社説が発表された。共同社説は今年をどのような年だと規定しているのか。 A 共同社説は今年について、冒頭、党創建(10.10)60周年と祖国光復(8.15)60周年にあたると意義を付与し、「希望に満ちた新年」だと指摘した。また、「わが祖国と革命歴史に特筆すべき慶事の年」「朝鮮革命と強盛大国建設偉業の遂行において偉大な変革が起こる誇らしい年」だと指摘した。 さらに、この2つの記念日を「勝利者の大祭典」として輝かし、「もう一度世界を驚かせる飛躍と革新を起こさなければならない」とも全国民に呼びかけた。 Q 国内問題で提示された課題は? A 大きく分けて3つだ。@一心団結A軍事の強化B経済建設と人民生活向上での「決定的転換」を挙げた。 Bの部分ではとくに農業部門を強調した。過去の共同社説では、電力、石炭、金属工業と鉄道運輸の4部門を優先的に発展させることを強調してきたが、今年はこれらよりも農業が先にきた。そして、「こんにち、経済建設と人民生活におけるすべての問題を成功裏に解決できるようにするキーポイントは、農業生産を決定的に増やすことである」と指摘。その方途まで細かく示している。 共同社説はまた、これらの課題を成功裏に遂行するためには党組織と活動家の役割を高めなければならないと強調した。 Q 対南、対米政策についてはどうか? A まず、対南政策について、今年は6.15北南共同宣言の発表5周年にあたる意義深い年だと指摘。全民族に対し、「わが民族同士」の理念のもと、民族自主共助、反戦平和共助、統一愛国共助の「3大共助」を実現することを呼びかけた。 また、祖国統一偉業の遂行において新たな進展を遂げるべきであるとも強調した。昨年は6.15の精神を反映した「民族共助」を主張したが、「3大共助」はそれより具体化された表現で、一歩踏み込んだと言える。 米国に対しては、朝鮮を軍事的に圧殺しようとする企図を放棄し、対朝鮮敵視政策を代えるべきだと主張した。ちなみに現情勢については、「米国の反朝鮮策動は前例なく強化されており、これによって、朝鮮半島には戦争の危険がさらに増大している」という認識を示した。 対外政策については、今後も自主、平和、親善の対外政策的理念を一貫して具現していくと指摘した。中国、ロシアをはじめとする友好国との関係をいっそう深めていくとのメッセージと受け止められる。 対日関係には一言も触れていない。「朝・日政府間接触にこれ以上、意義を付与する必要がなくなった」(昨年12月30日、朝鮮外務省スポークスマン)という立場のようだ。 Q 日本のマスコミなどは、今年の共同社説は「平凡」だと言っているが。 A 対外政策についての言及が従来の原則を繰り返す水準にとどまったからだろう。事実、踏み込んだ表現自体はなかった。 昨年は、現在、最大の焦点となっている朝米核問題について、「対話を通じ平和的方法で解決させようとするわれわれの原則的立場は一貫している」と言明した。 しかし、朝鮮外務省スポークスマンは8日に発表した談話で、対話を通じた問題解決は終始一貫した立場だとあらためて強調しながらも、「第2期ブッシュ政権の対朝鮮政策を見極めて対応する」「朝米核問題解決の展望はすべて米国にかかっている」と表明した。 Q 総体的に見て、今年の共同社説から何が読みとれるのか。 A 去年の共同社説は、「政治思想、反帝軍事、経済科学」を「3大戦線」と命名した。2002年には「領袖、思想、軍隊、制度」を「4大第1主義」と呼ぶなど、共同社説はその年に力を尽くすべき内容を体系化、命名している。 今年は、民族自主、反戦平和、統一愛国共助を「3大共助」と体系化した。 これまで、国内問題に関することが多かったが、朝米関係が激化、北南関係がこう着している状況で「3大共助」が提示されたことは注目すべき点だ。今年、対南問題、統一問題に力を入れていくということが読みとれる。(姜イルク記者) [朝鮮新報 2005.1.13] |