top_rogo.gif (16396 bytes)

〈ウリ・トンポ・ブライダルフェア〉 多彩なイベントで大盛況

 在日本朝鮮民主女性同盟中央と同胞結婚相談中央センターが協力して1年間、準備を進めてきた「ウリ・トンポ・ブライダルフェア」が23日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われ、1600余人が訪れた。チョゴリファッションショーやサークル公演、シネン(嫁入り)の再現、同胞結婚事情を題材にした演劇上演、スペシャルディナーショー、豪華商品があたる抽選会など盛りだくさんの内容で、詰め掛けた人々を最後まで飽きさせなかった。デヴィ・スカルノ夫人も急きょ訪れ、華やかなイベントにいっそう花を添えた。「予想をはるかに超えた大々的な規模に驚いた」と岡山から来た同胞(55歳)は感嘆していた。

 「こんなに大勢来てくれて本当にうれしい。同胞社会を取り巻く環境が厳しい中での開催で、最後まで不安もあったが、今は実行委員長を引き受けてよかったと思っている」

 フェア実行委員会の金美善委員長はこう語った。

婚礼衣装のファッションショーなど多彩なイベントが行われたフェア

 実際、この日は開始の午後1時から終了の午後9時まで、場内にはひっきりなしに人が訪れた。

 人々の興味を引いたのは、ブライダル業者の展示コーナー。来月結婚を控えているという群馬から来た女性(29)は、「チョゴリは決まっているのですが、小物がまだなので。いっぱい参考になりました」。

 「結婚はまだまだ先」という20歳の女性は友人を誘ってやってきた。「チョゴリも宝石もとてもきれい。これから結婚する時には参考になると思う。同胞向けのこうしたイベントはどんどん開いてほしい」と話す。

 日本の学校に通い在日の集まりには初めて参加したという女性(27)は、「とても楽しく明るく一つの輪になっている姿に、在日として生きねばと強く感じた」と語った。結婚式の衣装はドレスばかり考えていたそうだが、チマ・チョゴリの美しさに、これを着て式を挙げたいと考えるようになったという。

 場内でとりわけ人気があったのが、同胞から募集した結婚式の写真展示コーナー。30年代から現在までの写真が並べられていたが、朝鮮国旗を背景にした式の模様などに若い人たちは驚きの表情を見せながらも、同胞の歴史が凝縮された写真に見入っていた。

 若いカップル(男性20歳、女性21歳)は、オモニに勧められて来た。「写真展がよかった。とくに昔の結婚式の写真は歴史を感じた」と声を合わせた。

 宮城在住の「百合子さんも、「写真展はヒット。民族結婚を守らなくちゃという思いにさせてくれる」。「全体的にはもう少し華やかな方がよかったかしら。今後は適齢期の子を持つ親同士が情報交換できる場もあれば」と期待を寄せた。

 主催者側では貴重な写真を送ってくれたことに重ねて感謝の意を示した。

 フェアには40近いブライダル業者が出展した。

 中には日本の業者も。西鉄旅行鰍ナは、東京朝高の修学旅行を世話してきた関係から今回出展した。日本橋支店の蒲谷岳人さんは、「新婚旅行などのお世話もできれば」と語った。

 ナルゲでは婚礼料理の作り方などが載った料理本を販売し、20冊ほどが売れた。写真家の金日泰氏のブースでも「結婚式なので検討したい」という声が聞かれたそうだ。メイクと衣装を扱うヌーヴェル・ヴァーグではチョゴリの注文が2件あったという。

朝鮮民謡のリズムに合わせ踊りだすディナーショー参加者

 フェアでは女性同盟メンバーや朝青員、教員らが出演するサークル公演も大人気。わざわざ岡山から駆けつけたオモニたちは自作の替え歌で場内をわかせた。倉敷・緑町分会の林広枝さんは、「日頃の分会の話をそのまま歌詞にした。みんなの声援が励みになった。同胞に喜んでもらうのが一番」と話していた。

 フェアの締めくくりはフランス料理のフルコースを食しながらのディナーショー。東京歌舞団の金赫淳、北関東歌舞団の尹漢信、東海歌舞団の梁忠寿の3人が出演。ロック調の民謡メドレーに踊り出す人たちもいて、熱気に包まれた。

 暗い世相を吹き飛ばし同胞たちに力を与えられるイベントにしたいという実行委員会の目的は十分に達成されたと言える。

 金京愛副委員長は閉会宣言で、「日本で民族性を守り、民族結婚を成就するのはとてもたいへんだが、必ず守るべきだ。今回のイベントはそのことを示す契機になったと思う」と力を込めた。(文聖姫記者)

(関連記事)

催しの一部から

[朝鮮新報 2004.3.30]