第14回アジア競技大会

「統一の歓喜あふれる大会に」

北から300余の選手、在日同胞も


 第14回アジア競技大会が9月29日、釜山で開幕した。今大会には朝鮮からそれぞれ約300人の選手と応援団が参加。南で行われる国際競技に朝鮮の選手が参加するのは史上初めてのことで、スポーツ分野に限らず北南間でのさまざまな交流を、さらに活性化するためのきっかけになるという意味でも注目を集めている。一方、在日同胞選手14人も朝鮮の国家代表選手として、陸上、サッカー、ボクシング、重量挙げ、ゴルフ、空手道の6種目に出場している。

600余の選手、応援団

 朝鮮選手団311人は、23日と27日の2回に分けて平壌からの直行便で釜山にそれぞれ到着した。

 1陣では男子サッカー、バスケット、柔道、ボート、射撃、体操、卓球など7種目159人が、2陣には女子サッカー、ハンドボール、レスリング、重量挙げ、ボクシング、ダイビング、アーチェリー、ソフトボール、男子卓球、カヌーなど10種目152人の選手が含まれている。

 朝鮮選手団第1陣は23日、釜山到着声明を発表し、「南の選手と釜山市民、南のすべての同胞に北の選手、人民の温かい同胞愛的なあいさつを伝えます。私たちは今回の第14回釜山アジア競技大会が、北南の心をひとつにし統一の歓喜あふれる大会になることを確信します」と指摘した。

 朝鮮選手団は26日、選手村入村式を行いそれぞれの種目にあわせて調整を行っている。

 北と南の選手団は29日の開会式で統一旗を掲げた北側のリ・ジョンフィ選手(女子サッカー)と南側のファンボ・ソンイル選手(ハンドボール)を先頭に一緒に入場した。

 一方、朝鮮応援団約300人は28日に釜山に到着、市民らの温かい歓迎を受けた。

 釜山市民らは、「遠くに感じられた統一が、とても近づいた感じがする。北の選手がいかんなく実力を発揮し、同じ民族としての温かみを感じて帰れるよう、努力する」「金海空港に到着した北の選手団を見て、私たちと同じ民族であることを痛感した。今回のアジア大会参加が統一の土台になるよう努力すべき」と感想を述べた。

メダル獲得に全力

 釜山アジア大会に参加する在日朝鮮人体育選手団の結団大会が27日、東京・千代田区の朝鮮会館で行われた。

 大会には徐萬述総聯中央議長と許宗萬責任副議長、南昇祐副議長、李沂碩副議長兼事務総局長、崔秉祚財政委員会委員長、在日本朝鮮人体育連盟の琴栄進理事長、関係者らが参加した。

 大会では選手団の役員、審判、選手26人が紹介され、団を代表し重量挙げの朴徳貴選手が決意表明を行った。

 朴選手は、祖国の代表選手として国際舞台にあがることが念願であったとしながら、これはスポーツマンとして最高の栄誉であると述べた。また、北南の和解と団結、祖国の統一に寄与し、常日頃から練磨してきた技量を正々堂々と発揮しメダルをとることに全力を注ぐと語った。

 大会ではまた、徐萬述議長が激励のあいさつをした。

 議長は在日選手がサッカー、陸上、ボクシング、重量挙げ、ゴルフ、空手などの種目に参加することになったと述べながら、競技に参加する選手団のメンバーを祝賀した。

 また、朝鮮の選手団と応援団がそれぞれ約300人参加し、在日同胞応援団も、開会式だけでも600人ほどが観覧する今回のアジア大会に、選手として参加することの意義について触れながら、6.15共同宣言以後北南間で多彩な交流が進み、朝・日間でも朝・日平壌宣言により善隣友好関係へと転換しようとする時期に、釜山で行われる大会に参加することは意義あることだと述べた。

 徐萬述議長は、競技に参加する以上朝鮮の代表選手として正々堂々と戦い、1つでも多くのメダルを獲得し、いい成績を収めてくれることを期待していると述べた。

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