取材ノート
会うことの大切さ
先日行われた、「南北コリアと日本のともだちの絵画展」に参加するため日本を訪れた南朝鮮の児童が、東京朝鮮第1初中級学校を訪問した。訪れたのは96年に発足し、北へのボランティア活動を行っている南朝鮮のNGO「南北オリニオッケドンム」のメンバーだ。授業を参観し、座談会で交流を深める双方の児童たち。南でも人気のある日本のアイドルや、「韓国ドラマ」など共通の話題で盛り上がっていた。
チョン・キョンジュンくん(11、ソウル)は、朝鮮学校の女の子に一目ぼれ。人懐っこい顔を記者の耳元に寄せ、「大きくなったら、あの子をお嫁さんにもらいたいなあ。秘密だよ」。 同校オモニ会が準備したピビンバをほおばっていたユン・オジンさん(13、京畿道)は、「朝鮮学校の子も同じ食べ物が好物なんて親近感を感じる。少し混ぜにくかったけど、とてもおいしい」。 同族とは言っても、生まれ育った場所が異なる者同士がすぐに心を通じ合わせることができるのは、なんと言っても言葉が通じるからだろう。手に持っていたミネラルウォーターのボトルにある日本語を指し、「これはどんな意味?」とたずねる南の児童に、在日児童がウリマルで答える。その姿に目頭を熱くする南の関係者もいた。 「行ってみたい夢でもいいから/金剛山を越えて鴨緑江まで/会ってみたいまだ名も知らぬ親友/どんなプレゼントを喜ぶかしら」(彼らが披露した歌、「行ってみたい」の歌詞から) 民族間に立ちはだかっている分断の壁をいとも簡単に乗り越えていた子どもたちの姿を目の当たりにしながら、「会うことの大切さ」を実感した1日だった。 「彼らのなかではもう統一が始まっている」(チョ・ヒョン共同代表)。難しくはない。ホームページを通じてだって「会う」ことはできるのだ。(URL=http://www.okedongmu.or.kr)(花) |