第5回北南離散家族・親せきの再会
悲哀の涙から喜びの笑みに
【高城発=姜イルク記者】 第5回北南離散家族・親せきの再会が13〜18日にかけて、金剛山で行われた。今回の再会事業では第4回と同様、13〜15日に北側の100人と南側の455人の家族、親せきが、16〜18日に南側の100人が北の224人の家族、親せきと再会を果たした。2泊3日の間、家族、親せきらは宴会場やホテルの部屋、三日浦などで半世紀もの間積もった話をしながら、再会の喜びを分かち合った。半世紀ぶりの再会を果たした北南の家族、親せきたちは、「悲しみの涙ではなく喜びと希望」の笑みを浮かべながら、祖国統一の道でふたたび出会うことを約束しながら別れた。
統一への原動力 「必ず会えると思っていました」。兄、叔母、従兄弟らと再会した平壌第1中学校のペ・ジェイン校長(67)は淡々とした口調で話した。
個々人は半世紀ぶりの再会となるが、今回の雰囲気は以前のものとはかなり違っていた。涙を流しながら抱き合うかわりに、笑みを浮かべながら楽しく話を交わす姿が目立った。 今回で5回目となる家族、親せきの再会事業は、当局、民間レベルでの対話や交流が平壌やソウル、金剛山で行われ、北南間の鉄道、道路連結が現実のものとなりつつあるなど、交流が活発になっている時期に行われた。また、9月初めの赤十字会談では面会所の設置など、離散家族らにとっては嬉しいニュースが続いた。 だからこそ、ペ校長は再会を確信し親せきたちとの会話でも、統一への夢と期待で花が咲いた。 「(南の)親せきが平壌第1中学校に来て勉強する日も来るだろう」「ソウルにもレベルの高い学校がある。うちの子どもだけじゃなく、ソウルと平壌の生徒が交流するようになったら、どんなにいいことか」 ぺさんは家族、親せきらと話しながら、統一はじっとしていてもできるものではない、健康に気をつけながらみんなでがんばっていこうと語った。 離散の苦痛をいやし、ともに暮らそうという民族の志向を示した家族、親せきらの再会は、彼らを統一の主人公として登場させるための大きな原動力となっている。 写真を日本の妹に 中央科学技術通報社に勤めるキム・テクジュンさん(70)は、幼い頃生き別れになった2人の妹と出会った。「孤児同然となった妹たちが、私に会えて力が湧いてきたと言ってくれたので、幾分安心しました」。 キムさんは辛い過去を振り返りながら、自分たちの家族はすべての不幸と苦痛を体験した朝鮮民族の縮小版だと言う。金氏の7兄弟は植民地時代大阪に生まれ、解放後済州島へ行ったが朝鮮戦争のとき生き別れとなり、北、南、日本でそれぞれ暮らしてきた。 現在東京荒川区に住んでいる三女のキム・スンジャさんは、何度も平壌を訪問してキムさんと会い、南のキム・ダルジャさんに兄の写真を手渡したという。 キムさんと妹たちは、積もりに積もった話をしながら何度も記念写真を撮った。キム・ダルジャさんはその写真を日本の妹に送ってあげると話した。 「もう悲嘆にくれるのはよそう。統一した後、みんなで会おうと約束しました」。金さんはこのように述べながら、近い将来いつどこで会おうという具体的な約束もできるだろう、その日が来るまで頑張ると決意を語った。 |