春・夏・秋・冬

 在日朝鮮学生少年芸術団のソウル、全州公演は、観客席を埋め尽くした南の人たちから大きな拍手で迎えられた

▼尋常ならぬ民族差別の厚い壁が立ちはだかる異国・日本の地で、祖国から送られてきた教育援助費と奨学金、そして在日同胞たちが限られた生計費などを削り、歯を食いしばって校舎を建て運動場を整備するなどして行ってきた総聯の民族教育。その苦労が実を結んだ公演でもあった。同時に、異国に住もうと民族の一員として生きることの大切さをあらためて認識させた

▼会場は「涙の海」と化したというが、本紙の報道に接して、また多くの読者諸兄も涙したようだ。「ウリ学生がソウルで公演し、民族教育の優越性を舞台の上で感動を与えながら見せ付けた」「記事を見ながら久しぶりに涙しました」。本紙編集部あてに寄せられた反響の一部である

▼同時期、ソウルで分断後初の北南統一サッカーも開催された。試合は0―0で引き分けたが、会場のワールドカップ競技場には、白地のなかに青色で朝鮮半島を染め抜いた統一旗が乱舞し、「南が勝っても北が勝ってもわれらは一つ」の声援が飛び交ったという。また、大韓サッカー協会の鄭夢準会長は「われわれが力を合わせれば世界最強にもなれる。平和統一にも寄与する」と力強く語った

▼一方足元の日本はといえば、この熱気に冷水を浴びせようと「小泉訪朝バッシング」のオンパレード。スクープと銘打つ週刊誌記事は、写真の盗用(ポスト)、でっち上げの作文(文春)ばかり。なんと「文化の貧困な地」なのか。(彦)

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