分断後、民族教育史上初 在日朝鮮学生少年芸術団 ソウルで公演
統一への希望 2000人が涙
【ソウル発=文・本紙張慧純記者、写真・学友書房権理華記者】分断後初めて、そして民族教育史上初めて、南の地を訪れた在日朝鮮学生少年芸術団(団長=具大石・東京朝鮮中高級学校校長、総勢90人)が4日、ソウル教育文化会館の舞台に上がった。南の僑胞たちは、生徒たちが台詞を読むたび、歌や踊りを披露するたびに歓声と拍手を送り、肉親の情で生徒らを歓迎した。異国の地日本で民族の魂を守る生徒たちの姿に、観客らは民族の同質性、統一への希望を感じたと賛辞を惜しまなかった。
韓国青少年サラン会(理事長=金相賢・新千年民主党国会議員)と韓国文化放送(MBC)が主催した公演は、東京朝鮮中高級学校高級部舞踊部の「五太鼓とパラ」で幕を開けた。続いて、伽倻琴二重奏「海の歌」、民族楽器重奏「桑をとりにいくよ」、舞踊「われらのチャンダンがいい」、「希望はカバンの中に」、女性重唱「統一の虹」など8つの演目が上演された。 この日の公演を、新千年民主党の金相賢、李在禎、ソル・フン、金フィソンの4人の国会議員、朴範薫中央大学校副総長、魯棟銀中央大国楽大総長ら各界各層の人士が観覧した。1000席の座席は満席状態で、階段や通路で立ち見する人がでるほど。観客らは演目が変わる度に、「ワア!」と歓声を上げるかと思えば、公演の最中にも手拍子をたたくなど終始温かい声援を送った。 在日同胞への差別が続く日本で、チマ・チョゴリを破られた痛みに負けない姿を描いた群舞「つむじ風」を観ながら、溢れる涙を何度も拭っていた呉キョンファ氏(26)は、「同胞らが異国で民族を守るためにいかに苦労したかをよく知らなかった。南の社会が同胞に対する正しい認識を持てていなかったことが恥ずかしい」と声を震わせた。「子どもたちはわが民族の財産。統一するためには団結しなければ。団結がなければ同胞も民族もない」
「おじいさん、おばあさんが聞かせてくれた話から想像していた故郷の地です。その地で舞台に立てるなんて本当に夢のようです」 司会役のイム・ジンリャンさん(初5)はフィナーレを飾る合唱「われらは一つ」につながる台詞を読んでいる最中、感激のあまり涙を流してしまった。その姿が観客の涙を誘い、場内は涙の渦に。 李在禎議員(国会教育委員会委員)は、「日本で育つ生徒らが民族の伝統文化を守っていることはたいへん喜ばしく、感謝に堪えない。祖国分断のせいで政府の支援が十分でないことに胸が痛む。日本にある民族学校に対する現況を調べて、政策的に何が必要かを検討したい」と語った。 李エジュ・ソウル大教授は、「幕が上がった瞬間から民族の同質性、統一への願いが漂ってきて目頭が熱くなった」と賛辞を送った。 公演には、ソウル国楽芸術高等学校生徒らが賛助出演し、伝統舞踊やテグム合奏、ナムサダン農楽を披露した。3日間をともに過ごした朝鮮学校と芸術学校の生徒たちは、公演の幕が降りると互いに抱き合い肉親の情を分かち合った。芸術高等学校の朴チョンミさん(19)は、「在日同胞に友達ができるのは初めて。でも情が厚くて昔からの知り合いみたい。近くで学べたらどんなにいいかしら」と、互いの電話番号を交換し合っていた。 また、同校芸術部長の宋善元氏(47)は、「帰化せず、民族の言葉を教える総聯の教育が真に良い教育だ。子どもらが交流する姿を見ていて、これこそ真の交流だと感じた。私たちが統一するためには、未来を担う子どもたち、北南、海外にいる同胞らが、互いに何が同じで違うかを見て感じて比べ合えるよう、しばしば交流する必要がある。平壌で南北、海外の同胞子女がともに公演するのが私の夢です」と述べた。 生徒たちがソウルに到着した2日には、劉仁鍾ソウル特別市教育監(日本の教育委員会に当たる)、3日には詩人の柳春桃氏が、4日にはMBCが生徒たちのために宴会を催した。全州公演は今日、6日に行われる。 公演の報道はエルファネット(http://www.elufa.net)でも見ることができる。 |