人・サラム・HUMAN

母子3人で発表会に出演

オモニ舞踊家の・許花月さん


 先月20日、愛知県名古屋市で開かれた第1回「李美南舞踊研究会発表会」。

 東海地方で初めて開かれた朝鮮舞踊研究会の発表会に、7歳から成人まで30人の研究生が出演した。許花月さん(33)、金貴年くん(8)、金沙瑛ちゃん(7)は母子で出演。

 母親の花月さんは元東海朝鮮歌舞団の舞踊家。幼い頃から朝鮮舞踊に親しんできた。結婚を期に退団し、子供を産んでからというもの舞踊からは遠ざかっていた。娘を教室に入れたとき、李美南先生が「花月も踊ってみたら?」と声をかけた。昨年9月、10年ぶりにシューズを履いた。その後、息子の貴年くんも研究生に。発表会では唯一の男性ダンサーとして太鼓を叩き注目を集めた。

 「朝鮮舞踊をまたはじめて、やっぱり良かったなって思いました」と花月さんは言う。全身を使って汗を流したときの爽快感は何とも言えない。また、作品世界を通じて民族に触れ、祖国や同胞社会に触れられるのも良いところ。女の細腕ひとつで2人の子供を朝鮮学校に通わせ、りっぱなチョソンサラムに育てようと奮闘している。子供には日頃朝鮮語で接するよう心がけている。

 「若かった頃、朝鮮舞踊は自己表現の手段でした。今はそれを取り巻く人々の純粋な気持ちに心洗われる思いがする。日頃の気苦労も吹っ飛ぶ感じ」と照れ笑い。楽天的で躍動感あふれる朝鮮舞踊が好きという彼女の腕には、公演終了後、抱えきれないほどの花束が抱かれていた。

知怜と表彰台に

水泳コーチ 森美沙子さん

 「彼女は内に秘めたすごいものを持っている。人を観察する力もあるし、運動に対する感もするどい」と話すのは、京都ファミリースイミングスクールの森美抄子コーチ(28)。この夏、JOCジュニアオリンピックカップ2002に出場した京都朝鮮第2初級学校・蔡知怜さん(10)の担当コーチだ。「もとはカナヅチ」だったという意外な過去を持つ彼女。聞くと、スポーツジムのインストラクターとして働く中、「プールも見るように」との指示がきっかけで水泳を始めたとか。「水泳を見なきゃならないのに、泳げないとあかんじゃないですか」。

 今は選手一人ひとりの素質を見抜き、それを伸ばすことに力を注ぐ。知怜さんは選手として、肉体的にも精神的にもほかにはない良いものを持っている。「3月の大会に向けて頑張らなくては」。二人三脚の闘いが今後も続く。

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