釜山アジア大会、北側選手団305人、応援団355人

北南選手、単一旗で共同入場


金剛山協議で合意

 9月29日から10月14日まで開催される第14回釜山アジア競技大会への北側の参加問題をめぐって、金剛山で開かれていた実務協議が終了し、8月28日に合意書が発表された。それによると、北側は釜山アジア大会に選手、オリンピック委員会代表、審判員を含め305人規模の選手団、355人規模の応援団を派遣する。また、北南の両選手団は開閉幕行事の際、単一旗(統一旗)を先頭にして共同で入場する。なお、同大会には14人の在日同胞選手が6種目に参加する。合意書の内容は次のとおり。

 第14回釜山アジア競技大会北側参加問題を協議するための、北側オリンピック委員会と南側釜山アジア競技大会組織委員会間の実務協議が8月26日から28日まで金剛山で行われた。

 双方は、今回の協議で北側選手団と応援団参加に伴う諸般の実務問題について幅広く協議し、次のように合意した。

 1、北側は、第14回釜山アジア競技大会に選手、オリンピック委員会代表、審判員を含む305人規模の選手団を派遣する。

 2、北側は、8月30日まで釜山アジア競技大会組織委員会に種目別最終選手団名簿と登録書類を提出する。

 3、北側選手団は、9月23日と27日の2回にわたって北側の飛行機を利用して直行路線で南側に入る。

 競技を終えて戻る際にも同一の方法を適用する。

 4、北側選手団と南側選手団は開閉幕行事に、単一旗を先頭に共同で入場する。

 選手団標識板は「コリア」、英語では「KOREA」とし、団の服装は2000年シドニー五輪の前例に従う。

 5、北南選手団は競技にそれぞれ出場し、表彰式の際には各自の国旗を掲揚し、国歌を演奏する。

 また、北と南は大会期間中に開かれる各種大会に、代表または代表団をそれぞれ参加させる。

 6、北側は、釜山アジア競技大会に吹奏楽団と芸術家を中心に構成される355人規模の応援団を派遣する。

 北側応援団は「万景峰92」号に乗って元山を出発し9月28日に釜山港に到着する。船内で宿泊しながら大会行事、競技応援に参加する。

 7、北側は、9月5日に白頭山で釜山アジア競技大会の聖火を採火し、9月6日に金剛山で釜山アジア競技大会組織委員会関係者に渡す。

 これと関連して北側は、10余人の南側メンバーが白頭山の現場で採火過程を録画・参観できるよう最大限の便宜を図る。

 8、南側は、釜山アジア競技大会に参加する北側選手団と応援団の滞在期間、彼らの身辺安全を保障する。

 9、北側選手団については、南側滞在期間に必要とされる諸般の経費を南側が負担し、応援団の南側滞在経費は訪問者側の負担とすることを原則にするが、南側が最大限便宜を提供する。

 10、南側は、釜山アジア競技大会期間、北側の国旗掲揚問題についてアジアオリンピック評議会憲章と国際慣例に従う。

 11、北側選手団と応援団は南側の案内と秩序に従い、応援はスポーツ精神に基づく。

 12、南側は北側選手団に、国際電話2回線、北南直通電話10回線を保障する。

 13、その他、北側メンバーの南側滞在期間中に提起され得る諸般の問題については、双方が信頼をパターンに友好的に協議、解決していく。

 14、具体的な実務手続き問題などは板門店を通じた文書交換方式により追って細部協議を行う。

北側を代表して 朝鮮オリンピック委員会書記長 趙尚南 南側を代表して 第14回アジア競技大会組織委員会事務総長 白基文

在日同胞選手もサッカー、ボクシングなど6種目に14人

 第14回釜山アジア競技大会には朝鮮選手団の一員として、在日同胞選手14人が6種目の競技に出場する。

 男子サッカーには河貴大(21歳、朝鮮大学校学生)、李漢宰(20歳、J1リーグ・サンフレッチェ広島所属)の両選手、陸上男子400メートルに黄日錫(26歳、総聯東京陸上団)、ボクシングに崔日領(19歳、東京農業大学学生)、男子重量挙げに朴徳貴(19歳、早稲田大学学生)の各選手が出場する。

 また、ゴルフ競技には金明讃(47歳、会社社長)、金重光(49歳、会社役員)、李忠男(20歳、東北福祉大学学生)、沈大水(40歳、会社役員)の4選手、空手にば英鎬(26歳)、崔英重(29歳)、呉晟宙(28歳)、金洋日(24歳)、金英進(27歳、いずれも空手道拳道会指導員)の5選手が出場する。

 一方、朝鮮オリンピック委員会副委員長である金露顕体連会長を含む6人が役員として、世界柔道連盟公認審判員の玄昌貴朝鮮柔道協会常務委員(在日朝鮮人柔道協会理事長)が審判員として、アジアアマチュアボクシング連盟公認審判員の大阪朝高ボクシング部・梁学哲監督を含む5人が競技監督として参加する。

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