「利益の還元」6年前から実施

「コリヤンハウス・陽〈YAN〉」


尹社長
 東京・地下鉄東西線門前仲町駅とJR両国駅、地下鉄都営浅草線大門駅、都営新宿線菊川駅の駅前で4店舗を展開する「コリヤンハウス・陽 YAN 」。同店ではアンケートで得た顧客情報をもとに、バースデーサービスの案内、年賀、暑中お見舞いなどをダイレクトメールで送っている。

 社長の尹陽太さん(41)は「お客様への利益の還元、店のアピールを目的に6年前から始めた。それにどの店も同業者が立ち並ぶ激戦区にあり、他店との差別化も必要だった」と話す。アンケートは飲物と料理の内容、サービスの満足度、店への意見に関するもので、住所、氏名、性別、年代、職業、メールアドレス、誕生日も記入してもらう。「年齢、生まれた年を記入してもらわないのは、お客様への気配り」(尹さん)からだ。

 アンケートに答えると、次回来店時のワンドリンクサービス券が進呈される。

「コリヤンハウス・陽〈YAN〉」で送っているバースデーサービスの案内状の裏、住所はすべて手書き

 バースデーサービスの内容は、誕生日の前後1週の間に来店すれば、食事代を20%サービスするというもの。案内状(ハガキ)にはその旨とともに、意見に対する返答を付け加える場合もある。案内状は尹さんはじめ店長など従業員一同の真心がこもった手書きだ。返信が帰ってくる率は25%ととても高く、ファミリー客が多いという。

 年賀では年中無休をアピールし、暑中お見舞いではハガキと交換でうちわを進呈する。バースデーサービスについて尹さんは、「誕生日の日は外食という傾向が強く、こうした機会を通じてお客様に利益を還元している」と言う。

 また顧客のデータは、新聞の折り込み広告を出す際の参考にもしている。

 今年1月の菊川店オープンに際して、各店舗でサービスデーを実施したが、その際、顧客の居住地を地図上で分類し、顧客が少ない地域には広告を多く(広告を折り込む新聞社を多くすること)、顧客が多い地域には広告を少なくし、アピール度を高めたという。

 一方、菊川店オープンを機に全店舗にポイントカードも導入。2000円で1ポイント、50ポイント貯めれば1万円分の食事券と交換できる。「接待でポイントを貯め、交換した食事券で会社の同僚と食事をするというケースもあり、会社関係者、ファミリーともに好評。満席で他店に流れることもあったが、ポイントカード導入後は待つという人が増えるなど、来店数も増えている。ポイント数を低めてサービスを増やすことも考えたが、1万円というところに大きな魅力を感じているようだ」(尹さん)。

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