名古屋で第1回李美南舞踊研究会発表会

躍動感あふれる華麗な舞


祖国統一の願いを込めた群舞「統一の虹」(按舞・李美南)
研究生から花束をもらう李美南さん
 先月20日、愛知県名古屋市芸術創造センターで、第1回「李美南舞踊研究会発表会」が開かれた。東海地方で専門的な朝鮮舞踊研究会の発表会が開かれるのは初めてのこと。発表会では「太鼓の舞」「チャンゴの舞」など伝統的な朝鮮舞踊をはじめ、「草笛童」「牧童と乙女」「仙女の舞」といった民俗舞踊ほか基礎レッスンの模様を表した作品や「チャンダン・ステップ」「統一の虹」など現代創作舞踊20作品が披露された。

 2000年4月に設立された同舞踊研究会の講師は、在日朝鮮舞踊界の第1線で活躍してきた共和国人民俳優、元金剛山歌劇団舞踊家の李美南さん。現役を退いた後、東海地方でも朝鮮舞踊を専門的に学びたいという同胞らの熱い要望に応えて講師を引きうけた。「この2年間はまず、朝鮮舞踊の基礎を磨くのに専念してきた」と李さんはいう。
 昨年8月にはアジア唯一の民族舞踊コンクールである「北九州アジア国際コンクール」に出場し、民族舞踊部門で5人舞「希望の太鼓」が1位、独舞「扇の舞・アレグロ」が5位に輝いた。その後発表会に向けて日本のメディアに取り上げられるようになると、日本市民らの関心も集まった。「もとは歌劇団で培ってきた専門的な理論と技術を後世に伝えたいという思いから研究所を開いたのですが、日本の方の参加も歓迎します」と話す。朝鮮と日本は近い国なのに、歴史や政治の問題などで素晴らしい文化や芸術が一般の人々に伝わりにくくなっているからだ。

 李さんは「バレエやフラメンコのように、多くの人々が朝鮮舞踊を親しんでほしい」と願っている。今回舞台に上がった「牧童と乙女」は1950年代・崔承喜按舞による作品。「太鼓の舞」は60年代・洪貞花按舞によるもの。これら朝鮮生まれの舞踊作品や音楽、衣装などは、語らずして朝・日友好や祖国統一を呼びかけるものともいえよう。

 教室には岐阜や三重など遠方からくるレッスン生も数人いる。康香織さん(中3)は鈴鹿から片道2時間の道のりを通っている。母親の康英子さんは「学校が終わって名古屋まで2時間、舞踊の練習を終えて家に着くのは夜の11時頃。もちろん心配もあるが、娘が苦ともせず頑張っているので見守ってあげたい」と話す。今は名古屋の学父母がレッスン日は泊めてくれるそうだ。

 「朝鮮舞踊の専門家に指導を受けたい!」という同胞たちの願いは、同胞自らの手でかなえられた。朝鮮学校の舞踊舞指導教員や学生、児童、主婦など、ここで学んだ研究生たちが幅広く活躍する日もそう遠くはないだろう。(金潤順記者)

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