春・夏・秋・冬

 トップ記事で詳報のように、侵略戦争時代、日本軍の731部隊が中国東北部(旧満州)で行っていた細菌兵器開発の際の人体実験に朝鮮人が含まれていたという新事実が発掘、明らかになった。これでまた、日本の過去の罪科が新たに1つ加わったことになる

▼この事実に対して、日本当局の反応はこれまでと同様、「預かり知らぬ」である。以前にも指摘したことがあるが、731部隊が多くの中国人らを人体実験の対象にしたことは、敗戦後の旧ソ連での軍事裁判などで当の部隊員たち、それも高級将校たちの口から直接、明らかにされてきた。いわんや、人体実験の対象にされた被害国の側も数々の証言や証拠物を突きつけ、真相の解明、謝罪と補償を求めてきた

▼これらの過去と正面から向き合い、清算することが日本の当然の責務であり、そのことを通じてのみ、侵略した側と侵略された側の間に、共存のための新しい関係、善隣友好が築かれていくことはあらためて繰り返す必要はないだろう

▼しかし、かつての「従軍慰安婦」問題に対する「民間基金」に象徴されるように、日本は本質から顔を背けながら、あたかも善意の第3者であるかのように振る舞ってきた

▼日本のよって立つ論理が、当初から破たんをきたしていることを知らしめていかなければならない。(彦)

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