本音で語り合い共感、涙
サマースクール -参加者の声-
日本の中学、高校に通う同胞生徒(日校生)たちが集う毎年恒例のサマースクールが福岡(7月29〜31日)を皮切りに神奈川、北関東(埼玉、茨城、群馬、栃木合同)、京都・滋賀、中・四国、千葉、東海・北信(8県合同)、兵庫、東京、大阪・奈良・和歌山で開催された。参加者たちは、運動会やバーベキュー、キャンプファイヤーなどを通じて交流を深めたほか、パネルディスカッション、討論会などの場で悩みを語り合い、そして朝鮮人であることに誇りを感じて生きていこうとの思いを新たにしていた。参加者の感想の中から一部を紹介する。
多くの仲間に親近感 張美稀(高3、岩手)初めて参加してみて、今まで自分の周りには日本人の友達しかいなかったが、こんなに多くの同じ朝鮮人の仲間がいることを知った。同時に、日本の友人に話しているのと同じ感覚で話しているつもりなのに、なぜだか日本人より親近感を感じ、身体が少し違った受け止め方をしていることに気が付いた。もっとトンムを増やしていきたい。 熱が冷めぬよう学生会で 黄智順(高2、新潟)4度目の参加だが、いつも最初は緊張する。それが後になると友達になってまたの再会を約束する。これがたまらなくうれしい。今年はとくに、今回出会ったトンムたちと一生の親友になれそうな気がした。参加するごとに、多くのことを学べる。 金美鶴(高2、大阪)3日間という短い期間だったが、本音で語り合い、共感し、涙を流し合えるトンムと出会ったことが何よりの喜びだ。チョソンサラムで本当に良かった。 金安里(高2、埼玉)今年はサマス(サマースクール)に参加しようかどうか迷ったが、やはり参加して良かった。いつも思うことだが、誘いにきてくれている学生会のみんな、本当にコマプスムニダ。その一方で、来年のサマスまでの間、普通の生活に戻ってしまうのは少し寂しい。サマスの時の熱が冷めないよう、朝鮮人としての自分を見失わないよう、学生会活動を正常化、活性化させていかなければ。 第2の学校のような存在 康有美(中3、大阪)楽しかっただけでなく、とても考えさせられた。本名を名乗ることや差別のことなど悩みはいろいろあるが、その分、自分の国の言葉を話したり書いたりしたいという気持ちがホンマに強くなった。歴史も知りたい。できたら学生会の活動をのぞいてみたい。そして来年は演劇にもチャレンジしてみたい。 具龍一(高3、大阪)大学に進学する際は、本名で通うつもりだ。今回参加してその決心がついた。朝鮮人としての自覚がこれまで以上に芽生えてきたからだと思う。 金武之(高3、岡山)これまでのサマスを通じて、自分のアイデンティティーを見つけることができ、朝鮮人としての自覚と誇りを持てるようになった。そうなるためには自分は朝鮮人であることを認識することが重要だ。 そう思うとサマスは第2の学校みたいな存在だ。 20歳に国籍選択… 「優子(高3、京都)サマースクールに参加して変わったことは、自分がチョソンサラムということを 実感 できたこと。チョソンサラムだと知ってはいても、今まではその実感がなかったからだ。と同時に、私はハーフなので20歳になればアボジかオモニの国籍を選択しなければならないが、もっと朝鮮のこと、民族について知ったうえで国籍を選びたいと思った。 ゙寿代(高2、滋賀)日本の学校に通っていても差別を受けたことはないが、歴史の授業や、外国人登録をもっていることが気にかかっていた。 それだけにサマースクールは、コリアンであることについて多くを考える場となった。同じコリアンの友達もでき、やっぱりコリアンの血が自分にも流れているんだと思った。 鄭淑美(高3、広島)同じ境遇のトンム、朝高のトンムなど多くのトンムを作ることができた。そして色々な考え方を知ることもできた。みんなもっと在日としての自信を持って、これ以上、帰化する人がいなくなるようにしなければいけない。 助け合うための団結力 白玉姫(高3、茨城)6年連続の参加で「ベテラン」ということから、後輩たちを引っ張って行くべきだが、当初はできるかどうか不安もあった。しかし、現地に着いて「おなじみの顔」を見るとそうした不安も自然と消え去った。 18年間生きてきた中で、出会った人は数知れないが、やはり同じ国籍の仲間、このサマースクールで出会った仲間と一緒にいると安心する。 今回参加して見て、高3グループみんなで協力しあってことを進めたすべてのことが自分のためになったと思う。とくにオリエンテーリングでは、助け合うための団結力というものを強く感じることができた。 班の集まりでも、みんなが真剣に将来のことを語り合ったりするのを見て、参考になるとともに、みな大人になっていってるんだなと思った。 これで最後かと思うとちょっぴり寂しい。来年は裏方で参加しようかな。 姜福子(高3、広島)、全体討論は大成功だった。初めて参加した人も「また来たい」と思っただろう。私自身もそう思ったし、その後、朝鮮人であることの喜びを見つけることができた。サマスがこれで最後と思うとちょっぴり寂しい気もするが、その分、高校卒業後は留学同とかで頑張りたいと思う。そしてサマスなどで学んだように、在日朝鮮人なのに朝鮮人のことがまったく分からない人たちに、朝鮮人であることがどれだけいいことかを伝えていきたい。 |