医療−最前線

食塩は1日7グラム以下


 塩分の取り過ぎは、健康を害するものとして古来から、警鐘が鳴らされてきた。

 日本高血圧学会は1日の塩分摂取量は7グラム以下とするなど、生活習慣の改善の具体例を「高血圧治療ガイドライン」としてまとめた。

 それによると90年に厚生省と日本医師会が「高血圧診療のてびき」を作ったものの、その後治療の方法や考え方が大きく変わった。

 血圧が低ければ低いほど、脳出血や心筋こうそくの危険率が低いという研究結果が相次ぎ、血圧の目標値は世界的に下がった。

 世界保健機関(WHO)が97年に出した指針は正常域を「最高血圧130未満かつ最低血圧85未満」としている。

 高血圧学会の考え方はこのWHOの方針転換を受けて、新たな研究成果を加えて、1日7グラムに策定したもの。

 生活習慣の改善を実施しやすいように具体的に示したのが特徴でもある。

 食塩の摂取量のほか、1日に飲むアルコールは、男性では日本酒なら1日1合以下とした。

 適性体重を維持し、コレステロールをとるのを控えることや運動、禁煙もすすめている。

 長期的には食塩を多くとると血圧が上がる。肥満や甲状腺ホルモンなどの影響でも血圧が上がる。この病気の人が多いのも、食生活の影響が強いと思われる。

 こうした高血圧を予防する生活習慣は子供のころから身につけることが大切である。
(李秀一・医療従事者)

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