それぞれの四季
飽くなき向上心
李幸子
40の手習いという言葉があるが、50過ぎの私がトンムから誘われるまま、日本習字を6年ほど前から習い始めた。本当に軽い気持ちからだった。ところがやり始めると大変だった。週1回の手習いであるが、楷書・草書と書体も色々あり、押さえ・払いと習字の基本をしっかりマスターしなければ、前に進むことができない。
月1回は進級のために作品の審査を受ける機会もあるが、なかなか上達しない。習いに来ているオモニたちは、20代〜70代までの幅広いオモニたちだ。その中の女性同盟元支部委員長の金鐘花オモニは70歳になるが、35年ほど前は朝鮮語を読むことができなかった。もちろん書くことも。成人学校で週3日3カ月間、雨が降ろうが、風が吹こうが、焼肉の店がどんなに忙しくても、1日も休まず通い、修了証をもらい、無事卒業したという。そのオモニが今度は習字を習っている。飽くなき向上心には脱帽するほかない。 本当にオモニたちは忍耐強くよく頑張っている。習字が終わった後は、お茶の時間だが、それがまた楽しい。息子のつれあいの話、分会のアボジ、オモニ、子供たちの話に花が咲く。 ここでは食べ物の話もよく出るが、世代の異なるオモニたちから、それぞれの得意の料理を教わったりして、この年になって料理にも挑戦するようになった。 習字に来て、本当にたくさんの人から教わることも多い。学校で学ぶことができない人生の大学であると思った。たかが習字ということなかれ、私にとっては気持ちが集中できて、忍耐も身についたように思う。ついでに報告すると、私はやっと準4段になった。 |