大手予備校や専門学校が集中しているため若者が多い街だが、地下１階のこの店は仕事帰りの会社員で活気づいている。近くの高層ビル街に勤める会社員や都庁の職員が新宿の都心からちょっと離れたこの店で疲れをいやすのだ。

　同僚と２人で来ていた男性会社員は２度目の来店。「味とコストの均等がとれている」と満足な表情だった。

　人気は上タン塩。鉄板でサッと焼き、そこに薄くスライスしたニンニクを巻いてレモン汁につけて食べる。

　３日間水と酢に漬けたこのニンニクがミソ。口のなかでまろやかな味が広がり、のどを通る頃にはニンニクがピリッと味を引き締めてくれる。牛タンにもこんな味があったのかと思わせる１品だ。

　店長の高英姫さん（58）のモットーはその日中におろした肉を仕入れ、新鮮に食べてもらうこと。ヤンやギャラもほどよくコリコリしていて、噛めば噛むほどおいしい。

　高さん、もともと内臓ものは苦手だったそうだが、仕入先を研究する過程で甘い味のするレバ刺しに出会い、その魅力を再発見したとか。冒頭の会社員のコメント通り、良心的な値段と新鮮な肉が魅力の店だ。２０人収容の座敷もあり、ゆっくり過ごせる。

　高さん味付けのムンチサラダは長女も大好物だそう。手作りのキムチもお試しを。（慧）

　おすすめメニュー　上タン塩（９００円）、上ミノ（塩、タレ、７５０円）、ギャラ、ヤン（７００円）、ムンチサラダ（５５０円）、白菜キムチ（３５０円）、生ビール（５００円）

　営業時間　午後５〜１１時。定休日は日曜、東京都渋谷区代々木１―53―４　奨学会館別館Ｂ１　ＴＥＬ　０３・５３５１・１７０９