両国、両党間 顕著な高位級交流
朝中関係(1〜7月)のまとめ
金正日総書記、江沢民主席の訪中、訪朝を契機に、朝鮮と中国の間で培われてきた伝統的な友好関係が、21世紀に入り強化されている。金正日総書記と江沢民主席は一連の会談を通じ、国際問題など双方共通の関心事について見解の一致を見た。その認識の下、今年に入っても交流は活発になっている。7月までの動きをまとめた。
多岐にわたる合意 金正日総書記は、年初から武東和駐朝中国新任大使(2月10日)、中国人民解放軍総政治部歌舞団(4月23日)、中国共産党代表団(5月9日)らと会見した。 総書記が他国の新任大使と会見するのはきわめて異例と言える。また、総書記が中国を非公式訪問した2000年以前には、中国の人士との会見はほとんどない。 年初からの相次ぐ会見は、中国との友好親善関係をさらに発展・強化させようという総書記の意思の表れと言える。 いうまでもなく、両国の関係は、総書記による一昨年5月と昨年1月の訪中、江沢民主席の昨年9月の訪朝を契機に新たな段階へと発展した。 昨年1月の首脳会談では、「伝統的な朝中親善協力関係を新世紀にも引き続き活発に強化、発展させていくことが両国人民の志向と念願、根本的利益に全面的に沿うものであり、アジアと世界の平和、安定に肯定的に寄与するものである」ことが確認された(1月21日発朝鮮中央通信)。 また、労働新聞は社説で、「両国の首脳が朝中両国と両党間の高位級交流と従来の伝統を維持し、各分野での交流と協力を強化して、親善協力関係をより高い段階へと発展させるために共同で努力することでも合意した」ことを明らかにした(1月23日付)。 総書記が2度の訪中を通じ、聯相グループのコンピューター生産工場や上海証券取引所、ソフトウェア開発研究所、ヒトゲノム南方研究センターなどを参観したことは、朝中の交流と協力の幅の広がりを示唆するものであったといえよう。 5000万元の無償援助
今年、とくに顕著だといえるのは、「朝中両国と両党間の高位級交流」である。金正日総書記のほかにも、楊亨燮最高人民会議常任委員会副委員長、白南淳外相、趙明禄朝鮮人民軍総政治局長らが、武東和大使と会見。 また、中国共産党代表団の訪朝、「勤労者」社代表団の訪中、崔泰福書記の中国共産党中央委員会対外連絡部代表団および遼寧省丹東市委員会代表団との会見、労働新聞代表団の訪中など活発な交流が行われた。政府間でも、朝鮮外務省代表団の訪中や中国政府分会代表団の訪朝、中国国家品質監督検査検疫総局代表団の訪朝などがあった。 そのほかにも、金永南最高人民会議常任委員会委員長と中国人民平和軍縮協会代表団との会見や中国現代国際関係研究所代表団の訪朝など各分野での交流も盛んだ。 こうした動きは、総書記と江主席の合意が各分野で着実に実現されつつあることを証明している。そのことを反映してか、4月末からの「アリラン」公演には中国から大挙して観光客が訪れている。 一方、中国政府は昨年春、朝鮮が例年にない干ばつ被害を受けたことと関連し、食糧20万トンとディーゼル油3万トンを無償援助したのに続き、今年は金日成主席の生誕90周年に際し、5000万元(約7億円)相当の無償援助を提供することを決めた。 10日、朝中友好、協力および相互援助に関する条約締結41周年に際して駐朝中国大使館で行われた宴会で、武東和大使と楊亨燮副委員長はそれぞれの演説で、朝中両国の指導者の深い関心と、両国の党、人民の共同の努力によって中朝親善関係が新世紀にさらに発展することを信じると述べたことからも、両国のさらなる関係強化が予想される。(李松鶴記者) |