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先頃訪朝したロシアのイワノフ外相。記者会見の話に興味をそそられた。金正日総書記と会見した時のことだ。総書記は経済活動家をわざわざ呼び寄せ、朝鮮で現在進められている経済改善策について説明させたというのだ。最高指導者自ら、しかも外国の要人に話すということは、それだけこの改革に本気で取り組んでいることを示すものといえる
▼イワノフ外相は、「総書記は、今回の措置が経済の姿を一新させ経済力を強化し人民の生活水準を飛躍的に向上させるだろうと確信を持って語っていた」と強調した ▼朝鮮で実施されている経済改善策が注目を集めている。本紙7月26日付に掲載された平壌特派員の記事は日本や南朝鮮のマスコミにも大きく取り上げられた。そこには「北朝鮮もいよいよ市場経済導入か」との 期待 が背景にある。しかし、「現在の改革はあくまでも計画経済の枠組みの中で行われている」と平壌特派員は伝えている ▼6月に平壌を訪れたが、人々の表情は明るさを取り戻していた。どこがどう変わったのか、と言われても答えようがないのだが、生活にゆとりが出てきたことを肌で感じることができた。実際、現地の人々に話を聞いてみても、「最も大変だった時期に比べれば、生活は楽になった」と一様に語った ▼もちろん、自然災害の後遺症や肥料の不足などで穀物生産量はいまだに不足状態が続いており、経済も飛躍的に向上しているわけではない。しかし、朝鮮の状況が徐々に良い方向に向かいつつあることを実感できる。「強盛大国」はもうそこまで来ている。(聖) |