春・夏・秋・冬

 先日、ソウルからの帰途、東京に立ち寄った米国のアジア政策研究者たちと歓談する機会があった。地方選挙での野党ハンナラ党の圧勝や西海事件など、6.15共同宣言の履行、和解と交流・協力事業の進展に「マイナス材料」ばかりが目に付く昨今の南の状況。今後が気にかかるところだが、「包容政策維持、という点では世論は揺るぎない」との話に安堵した

▼「包容政策、つまり6.15共同宣言は市民生活に根を下ろしてしまった」というのだ。なるほど、在日の次元で振り返ってみても、故郷訪問団、金剛山歌劇団公演、ワールドカップ参観や民団同胞との生活権利のさらなる獲得をめざす共同行動など、6.15共同宣言は生活を大きく変え、その履行は確固とした流れになった

▼だから例え、「年末の大統領選挙で野党候補が勝ったとしても、北側と再度の首脳会談を開いて新たな合意でももたらさない限り、代案もなく一方的に共同宣言を破棄するようなことになれば、80年春や87年6月以上の規模の抵抗を市民たちから受けるだろう」

▼朝・米関係を94年以前にさかのぼって、一から仕切りなおしをすべきだ、という保守勢力を内部に抱えるブッシュ政権も、結局のところは再選に向けての彼らへのリップサービスの色合いが濃いと分析する。だから一連の強硬な発言ばかりに目を奪われるのではなく、何をしようとしているのか、行動を直視すべきだと

▼どのような事態になろうと、何事にも突き動かされない、6.15共同宣言履行の信念が活路を開いていくのだろう。(彦)

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