大マスゲームと芸術公演「アリラン」延長の理由

宋錫煥・文化省次官に聞く


 【平壌発=金志永記者】最近、再延長が決まった大マスゲーム・芸術公演「アリラン」。外国の一部マスコミの中には、観光客誘致を通じた外貨稼ぎだとし意的に解釈し偏向報道を伝える向きもある。延長の理由について、「アリラン」準備委員会実務活動を統括する文化省の宋錫煥次官に聞いた。

 ―一連の報道は「アリラン」制作の目的に対する誤った認識から来ているのでは。

壮大なスケールで描かれる「アリラン」

 私たちは金日成主席誕生90周年に際して「アリラン」を制作した。つまり、主席は朝鮮人民の心の中に永遠に生き続けるとの信念を内外に示すために作られた。そのため、「アリラン」を世界的な傑作に仕上げ、朝鮮の威力を広く知らしめる気概で準備を進めてきた。

 題名を「アリラン」にしたことについて、外国のマスコミはさまざまな解釈を加えているが、統一情勢の見地からすると、6.15共同宣言が採択され、わが民族同士統一の門を開いていく問題が提起されている。外勢の干渉なしに1日も早く統一を実現しようというのが全同胞の願いであるのに、世界に披露する作品も当然、それに沿って、誰もが共感できるものでなければならない。そのため、全民族が愛する民謡「アリラン」をテーマに作品を構成した。


 ―「アリラン」は従来の作品とは異なり、外国人にも公開することを前提としているが。

 「アリラン」が対外的に大きな反響を呼んだのは事実。だからといって、準備段階で、外国からどれだけ人が来て、どれだけ外貨を稼がねばならないなどと打算などしていない。朝鮮人民のための公演だが、外国人も来て見られる、といった感覚で招請を進めた。

 外国のマスコミは、「アリラン」と関連して外国人観光客が少ないとか、投資した分を回収できなかったなどと指摘するが、これは完全に中傷だ。

 私たちはそれほど広範囲に宣伝してはいない。にもかかわらず、外国人客は予想以上に多かった。

 今に至っては、作品を直接見た人々が自国に帰り宣伝してくれるので、参観申し込みが増え続けている。

 ―公演を延長した理由は。

 「アリラン」は主席誕生90周年を機に制作されたものの、世界的傑作になった。そのため、主に朝鮮人民の間であの有名な「アリラン」をぜひ見たいとの要求が高まっている。公演期間が短いせいで、この傑作を多くの人に見せられなければ大きな損失だ。

 朝鮮で制作されたすべての作品は決して商品ではない。文化財であって、金を稼ぐ手段ではない。

 ―とは言っても、作品の規模が膨大なだけに経済的な問題も完全に度外視できないと見るが。

 もちろん、社会主義社会でも経済的な後ろ盾なしには政治的成果も現れない。正確に言えば6月末まで、「アリラン」制作のために投資した内貨、少額の外貨はすべて回収した。

 今後、外国人観光客が引き続き訪れることが予想されるが、公演延長を決めたからといって、金を多く稼ぐといった問題に神経を使うつもりはない。

 公演延長の背景には、「アリラン」とともに朝鮮人民が社会主義建設で革新を起こしていくようにしようとの金正日総書記の意思が込められている。

 外国のマスコミはすべてを金に結びつけて考えようとするが、私たちの関心はこうした作品を生み出すことのできた朝鮮の力を内外に誇示することにある。

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