「アリラン」成功に一役、「総聯対外奉仕団」(4月中旬〜7月中旬)

「ウリナラのために役だった」充実感に満ちた参加メンバー


 4月末から平壌のメーデースタジアムで行われている大マスゲーム・芸術公演「アリラン」。「ぜひ一度見てみたい」との内外からの要望が多数寄せられたことから、再延期が決まった。その「アリラン」成功に一役買ったのが、4月中旬から7月中旬まで活動した「総聯対外奉仕団」。屋外食堂や売店では女性同盟に所属するオモニたちや朝青員の作る料理をふるまい、歌舞団が公演を行った。「アリラン」を観に来た外国人観光客や在外同胞、地元の人々の間で大人気だっただけでなく、参加したメンバーらも「ウリナラのために役立った」との充実感を感じていた。「奉仕団」に参加した5人に話を聞いた。(談、文責編集部)

女性同盟

疲れはほとんど感じず(洪富江)

 この間、朝鮮の人たちと一緒に仕事をした。2人の学生と1人の先生が私たちと一緒に働いたのだが、その先生が第2回平壌学生少年芸術団のメンバーで、日本に来たというのでびっくりした。仕事が終わってホテルに帰るのはいつも午前2時を回っていたが、疲れはほとんど感じなかった。

 そもそも、昨年12月に帰国した叔母に会いたくて奉仕団に参加した。初めての朝鮮訪問である。足立からは2人が参加したが、総聯や女性同盟支部でいろいろと手助けをしてくれた。

 学生時代、マスゲームに参加したこともあり、「アリラン」公演を観覧できてうれしかった。ひとつにまとまった朝鮮の人々の姿を見ることができたし、ほかの国では絶対にできないだろうと思うほど素晴らしいものだった。(47・女性同盟東京都足立支部保木間分会副分会長)

オモニも朝青員もひとつに(全幸純)

 4月22日から5月6日にかけて「アリラン」奉仕団に参加した。

 仕事はかなりきつかったが、年配のオモニも朝青員もひとつになって、汗をかきながら一生懸命打ち込むことができ、充実した日々を送ることができた。

 1陣だったので、テントを張ったり荷物を運んだりなどの仕事がほとんどで、本来の売店での仕事は3日くらいしかできなかった。

 朝鮮には6年ぶりに行ったが、市民たちの表情はいきいきとしていた。朝鮮の状況がよくなりつつあるということを肌で感じた。

 また、行った時期がよかったこともあり、「アリラン」公演はもちろん、たいまつ行進や閲兵式も観覧することができてとてもうれしかった。(50・女性同盟愛知県名港支部副委員長)

日本各地のオモニと仲良しに(李玉喜)

 「アリラン」奉仕団の第7陣のメンバーとして朝鮮を訪問した。この間、昼の12時から夜の12時まで働いたが、「疲れた」というオモニは1人もいなかった。オモニたちのほとんどが40〜50代で、見習うことが多かったのも良かった。

 最初は難しいこともあったが、オモニたちと力を合わせ、仕事をうまくやり遂げることができたと思う。

 奉仕活動もさることながら、17年ぶりに朝鮮を訪問したことで感じることも多かった。苦しい中でもしっかりと生活している平壌市民の姿や、「アリラン」公演を見て、力を得た。

 日本各地のオモニたちと知り合って仲良くなれたことが、本当に良かった。(39・女性同盟岡山県倉敷支部文化宣伝部長)

朝青

朝鮮を祖国に持つ誇り(呉伸康)

 初めてのウリナラ(祖国)訪問。それも「アリラン」祭典の「総聯対外奉仕団」メンバーとしてだ。

 日校生(日本の中学、高校に通う同胞生徒)としてウリナラに行けるなんて珍しいと思っていたので、話を聞いた時、ぜひ行きたいと思った。学校で日本人の友達にウリナラのことを聞かれても、「行ったことがないからわからない」と答えるしかないことにもどかしさを感じていた。

 それでも行く前は、ウリナラの人たちとコミュニケーションがとれるかどうか、言葉の壁もあって多少不安を感じていたが、そんな不安は1日で消え去ってしまった。

 ウリナラの人たちとは、生活のことなどたわいのない話をいっぱいした。僕が、父が日本人、母が朝鮮人のハーフで、日本の学校に通っていることなど…。

 「アリラン」はとてもよかった。それまでは「自分は朝鮮人」だという自覚は持っていたが、今回の訪問をきっかけに、朝鮮が祖国であることに誇りを持てるようになった。

 現地の人や「アリラン」を観にきた在日同胞や外国人客が、僕の焼いたお好み焼きをおいしそうに食べている姿を見て、自分にもウリナラのためにできることがあると強く感じることができた。

 今回の貴重な経験を、日校生の先輩、後輩にも伝えていきたい。(17・八洲学園2年生、東京・足立日校学生会所属)

地元青年との交流印象に(崔聡美)

 朝青活動とは無縁だったが、奉仕団第1陣に参加したオモニや同級生から話を聞いて興味を持ち、軽い気持ちで参加した。想像以上にハードな仕事だったが、楽しかった。一番印象に残っているのは、地元青年との交流だ。ともに仕事で汗を流し、将来の夢や希望、悩み、そして恋愛相談などいろんなことを話しながら夜を明かした。同じ民族、同世代の朝鮮青年としての連帯感を感じた、貴重な経験だった。

 現在はホテルマネージャーを目指し、オーストラリアに留学中。たまたま日本に戻っていた時に本当にラッキーだった。朝鮮での奉仕活動で得た経験を勉強に生かし、留学先で出会う世界中の同世代に、実際に見て聞いてきた朝鮮の素晴らしさを伝えたい。(20・豪州に留学中、岐阜在住)

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