それぞれの四季

地域で咲かす友情の花

李幸子


 八幡で朝鮮の舞踊と楽器チャンゴを教えてくれるサークルが2年前にできた。たくさんのオモニたちが集まった。その顔ぶれを見て驚いた。私が八幡に住んで30余年、1度も見たこともないオモニたちがいた。民団のオモニ、「韓国」から嫁いできたオモニたち…。50〜60代のオモニたちだった。初めはぎこちなく、あいさつするだけだった。

 今では1時間半は舞踊の練習で汗をびっしょりかく。初めは基本動作が上手くいかなくて、へとへとになっていた。20分間の休憩では自分たちで持ち寄ったおやつと一緒に楽しくお茶を飲みながら、世間話に花が咲く。

 「朝鮮のアリラン祭り凄いよね」「見てみたいね…」「サークルでアリラン行かない?」

 民団のオモニたちとの楽しい語らいで、お茶の時間もあっという間に過ぎていく。彼女らは民族教育は絶対必要だと言い、幼稚園の若いオモニたちのバス運営委員会にカンパもしてくれたり、とてもいい雰囲気だ。

 お茶の後はチャンゴだが、これがまた、チンプンカンプンでとても苦労している。何も分からないところから始めたので、「次はヤンサンドチャンダンで行きます」と言われてもすぐにはできなかった。そんな状態で始めて、今は発表会に出演するまでになった。

 初めての舞台には同胞たち100人程が集まってくれたので、開幕前から緊張でドキドキした。日本の学校の先生たちも一緒に出演したが、みな終わった後は、感激して目を潤ませていた。

 地域で統一や朝・日親善の小さな花を咲かせたいと60の体にムチを打って頑張っている。(福岡・主婦)

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