春・夏・秋・冬

 南朝鮮に初の女性首相が誕生した。張裳氏。名門・梨花女子大の総長だ。統一問題にも詳しく、2000年6月の北南首脳会談の際には代表団の一員として平壌を訪れ、北の女性団体とも意見交換をしたそうだ

▼ところで、「女性初」であることが騒がれているが、北でも、首相とまではいかなくても、女性の副首相がずいぶん前に誕生している。シニヨンにチョゴリ姿がトレードマークだった金福信氏は軽工業部門担当の副首相として、ついこの間まで活躍していた。歴代財政相も女性が多くを占めただけでなく、国会議員の比率も高いなど、政界への女性の進出度は南よりも高いかもしれない

▼以前、朝鮮で男女平等問題について取材するため、さまざまな職業の女性たちにインタビューしたことがある。区長や大学の学長、シナリオライター、サッカー選手など、十数人にのぼった。一線で活躍している人たちだけに、豪放らいらくで包み込むような温かさを持つ人が多かった。しかし、女性であるからこそ、余計なことに気を使わなければならないと嘆く人もいた。実際、取材を通じて浮かび上がったのは、男尊女卑の考えがいまだに残っているということ

▼だが、それは何も北に限ったことではなく、南でも同じだろう。21世紀になって初めて女性首相が誕生するくらいだから。それでも、南北問わず、女性たちの活躍の場が広がっているのはまぎれもない事実。そこから意識改革も進んでいくことと思う

▼朝鮮では間もなく、1946年に男女平等権法令が発令された日(7月30日)を迎える。(聖)

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