医療−最前線

逆さまつげ


 逆さまつげと聞けば、赤ちゃんに多い異常だと思われがちだ。しかし、大人や高齢者にも多い。

 確かに赤ちゃんにはそう見える時もあり、ハラハラさせられる。

 主に生後6カ月までの乳児に見られるが、これはまつげがふっくらしたまぶたや頬に圧迫されるために起こる現象で、成人のそれとは全く違う理由で起きる。

 まして赤ちゃんのまつげは柔らかく、涙液の機能がよいので、触っても痛むようなことはない。ほとんどは成長に伴って治ってしまうので、心配はいらない。

 ただし、あふれるほど堪った涙にくっつく形でまつげが角膜に触っている場合には、涙道がまだ開口していない可能性もある。片目だけに涙が多くまつげが角膜に触っているような場合には、早目に眼科で相談した方がよい。

 目がちかちかする、ごろごろする、といった異物感は、誰でも経験するが、その感覚がいつまでも続く場合は、逆さまつげの疑いがあるので、専門医の治療を勧めたい。

 逆さまつげというのは、本来生えているところよりも内側から生えていたり、内側をむいて生え、角膜にさわる病気のこと。

 角膜が刺激されるので、目の異物感、痛み、流涙、まぶしさなどの症状が現れる。

 高齢者に多く見られるが、若い人に見られるのも、まれではない。

 まぶたの外傷やトラコーマをはじめ化学物質による損傷や粘膜の病気、あるいは点眼薬の長期使用なども原因に数えられている。(李秀一・医療従事者)

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