同胞の店

鉄板焼・お好み焼・かなざわ
(兵庫県・神戸市)

野菜焼、シーフード焼、そばめし


 山陽電鉄板宿駅から目と鼻の先にある鉄板焼「かなざわ」。阪神・淡路大震災後、仮設店舗がほとんどだった当時、きれいで本格的な店舗として、人目を引いた。

 今年の12月で6年目を迎える「かなざわ」は、安愛子さん(55)が1人で切り盛りしてきた。震災の時、夫の金元明さんがやっていた会社が倒壊、再建の一環として始めたのがきっかけだ。

 「それまで積み重ねてきたものが一瞬にしてゼロになってしまった。当時子供たちはみんな学生だったし、生活していくためには何かをしなければならなかったんです」と安さん。

 メニューはお好み焼や鉄板焼など45品ほど。納得できない料理や自信がない料理は出さないので、すべてのメニューが「オススメ」だそうだ。そのなかでも売れ筋はねぎ焼や野菜焼、シーフード焼、そして神戸名物のそばめしだそうだ。

 「かなざわ」のそばめしは、他のそれとはちょっと違う。やきそばを細かくきざんで、ご飯と一緒に炒めた後、細かく刻んだキムチを一緒に炒めることで、ソースの甘味とキムチの辛さが絶妙な1品に仕上がる。

 材料の仕入れは夫の金さんの担当で、毎日新鮮な素材を厳選しているそうだ。

 それまで専業主婦だったので、はじめはお客とのコミュニケーションがうまくできずに、悩んでいたという安さん。「いま世の中は不景気で、人の心は落ち込み元気のない時。そんな時だからこそ、お客さんに美味しいものを食べて、元気をつけて帰ってもらいたい」と微笑んだ。(松)

 おすすめメニュー お好み焼―豚玉、イカ玉(500円)、野菜焼(800円)、シーフード焼(950円)、そばめし(650円)

 営業時間 17時〜23時。火曜日定休。神戸市須磨区大田町5丁目1―4 TEL 078・736・3861。

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