同胞福祉のあり方は―

人権協会の連続セミナー


 5月から「在日朝鮮人の人権と民族的アイデンティティー」と題して連続セミナーを開いている在日本朝鮮人人権協会。1回目の民族教育に続き2回目は福祉問題をテーマに同胞の人権を考える。

 今回のメインはハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会事務局長を務めた李衛さんの講演だ。

 26年に全羅南道で生まれた李さんは4歳の時に渡日。14歳でハンセン病を患い東京・東村山市にある国立ハンセン病療養所「多磨全生園」に強制収容された。

 ハンセン病患者は60年から1級障害者と認定されたものの、朝鮮人患者は差別的な国籍条項によって年金制度から排除された。同年、同胞患者らは「在日朝鮮人・韓国人ハンセン氏病患者同盟」(当時)を結成し、厚生省(当時)に対して差別是正を求めていく。

 李さんは同同盟委員長を歴任。90年にわたってハンセン病患者の強制隔離政策を続けた日本政府の過失責任を問う国賠請求訴訟の第1次提訴原告として裁判闘争の一線に立ってきた。

 セミナーではハンセン病、民族差別という2重の差別をたたかってきた李衛さんの半生を見つめながら、国民年金制度からいまだ排除されている同胞高齢者・障害者問題をはじめ同胞福祉のあり方を考える。

 リレートークでは障害者向けの音楽療法に取り組む在日同胞福祉連絡会の成基香さん(朝鮮大学校研究院)、1世同胞の介護に携わる川崎高麗長寿会の徐子連事務局長らが発言する。

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 在日本朝鮮人人権協会連続セミナー第2回「福祉を考える」

 7月12日(金)、午後6時〜8時半、池袋メトロポリタン10階 エポック10 多目的ホール(JR、池袋駅下車)、主催・問い合わせ=人権協会(TEL 03・5818・5424、担当―金)。

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