春・夏・秋・冬

 21日は夏至。言葉そのままに「夏に至る」。北半球の昼がもっとも長く、夜がもっとも短い日だった。北極圏一帯では白夜が広がる。梅雨の中休みで全国的に晴れ渡ったというから、そのことを実感した人は多かったと思う。元来、「24節気」の(にじゅうしせっき)のひとつで、「太陽年を黄経に従って二四等分して、季節を示すのに用いる語」(「広辞苑」)」

▼もっとも近年、季節の変わり目を感じ取れる機会は少なくなっている。そのことを知る身近な存在といえば旬の食べ物だが、栽培技術の飛躍的な進歩によって、季節を告げてくれる露地物という言葉が死語になりつつある。今が旬といえば、果物のサクランボがあるが、これも正月早々にはハウス物が出回る始末だ。むろん高嶺の花

▼誰もがその到来にホッとする春にしても、旬のものはほとんどが1年中、市場に出回り、わずかにエンドウ豆だけが露地物であるという話を専門家から聞いたことがある。その理由は、開花時期に霜をかぶらなければ実がつかないのだという。これだけは現在の技術を持ってしても解決はできないらしい

▼花にしてもそうだ。今年の季節のテンポは例年になく早く感じられるが、ユリが散りかけているかと思うと夾竹桃やムクゲがもうツボミを咲かせている。さらに驚いたのは朝顔。梅雨空に咲く朝顔とはちょっと目にできない光景だ

▼昨秋、朝鮮カボチャの種を読者プレゼントしたが、すでに芽は出て葉をつけ始めた時期だと思う。その成長過程の観察記録や感想などの便りをお待ちしています。(彦)

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