第3回東京中高文化祭「アンニョンハセヨ!2002」
展示コーナー、Tシャツで「統一」アピール
東京中高第3回文化祭「アンニョンハセヨ! 2002」が15日、同校で催され、都内を中心とした日本学校生徒と市民、日校在学同胞学生、同校生徒、一般同胞、外国人ら2000余人でにぎわった。校舎では、民族の歴史や風習、食文化に関する各種体験・展示コーナーが設けられ、来校者はスタンプラリー形式で各コーナーを回った。屋外には、朝鮮料理をメインにした「屋台村」とチャリティーバザー会場がそれぞれ設置され、好評を博した。一方、文化会館では、チョゴリファッションショー、テコンドーと空手の演武、抽選会、文化公演が行なわれた。またグラウンドでは、サッカー部が成立高、ラグビー部が修徳高とそれぞれ親善試合を行なった。なお同校中級部では、スポーツフェスティバルを催した。
◇ ◇
同文化祭は、朝鮮民族の歴史と風習、在日朝鮮人について知ってもらおうと、3年前から行われているもの。今年はとくに「6.15北南共同宣言発表2周年にちなんで、『統一』をテーマに掲げた」(学生委員会の尹明進委員長)。 校舎に設置された各「体験コーナー」「展示コーナー」は、すべて生徒たちによる手作りだった。 なかでも来場者の興味を引いたのは、3年4組が作った展示コーナー「統一への歩み」。朝鮮の分断から、統一の道筋を明らかにした6.15共同宣言の発表に至るまでを、挿絵をふんだんにまじえたポスター、VTRなどで解説した。
製作者の金鈴姫、金明理、秋順蓮さんは、「私たち朝高生が祖国統一の重要性を再認識し、訪れたたくさんの人々に近代朝鮮の歴史を知ってもらいたかった」と意気込みを語った。 観覧した岩崎泉さん(十文字高2年)は、「朝高生たちの統一に対する思いがひしひしと伝わってきた。これを機に、朝鮮の歴史をもっと勉強して私も何かお手伝いしたい」と感想を述べた。 当日、朝高生たちは統一への願いを込めて、「6.15 祖国 統一アリラン」と朝鮮語で書かれたTシャツを作成。当日は全校生が着用して来客を迎えたほか、6.15にちなんで615枚を金剛山で行われた「民族統一大祝典」(14、15日)参加者に贈った。文化公演の最後には、全校生と日本学校に通う同胞学生の代表が寄せ書きした垂れ幕が披露された。 ◇ ◇ 今年で3回目となる文化祭は、回を重ねるごとに朝高と日本学校との交流を幅広いものにしている。 互いの文化祭への参加や、生徒・教員間の交流会、交換授業、対外公演、親善試合などを地道に行ってきた。5月には、朝高生が早稲田大学高等学院主催の討論会に招かれ、在日同胞と民族教育の現状についてアピールした。 丸山祐加さん(帝京高2年)は、「日本の教科書では教えてくれない事実がたくさんあった。今日体験し、感じたことを家族や友人に伝えたい。個人の力は小さいけれど、一人ひとりの積み重ねが本当の友好関係を築く1歩になると思う」と語った。 李愛玲さん(高3)は、「緊張の連続だった2年前に比べて友達も増え、楽しく案内することができた。ここで培った日本の高校生との出会いを大切にしていきたい」と話していた。(李明花記者) |