学校支える柱、地域の誇り

倉敷愛校会20周年の集い


 「倉敷愛校会20周年の集い―輝けウリハッキョ」が9日、岡山朝鮮初中級学校で行われ、愛校会の歴代幹事、学父母、地域の同胞らとともに、総聯中央「益柱教育局長、岡山県本部の朴吉薫委員長ら150余人が参加した。集いでは、愛校会が歩んできた歴史を振り返るとともに、京都萬寿寺の尹青眼僧侶の記念講演、生徒たちの文化公演、元日弁連人権擁護委員会委員長の鈴木孝雄弁護士の報告が行われたほか、参加者一堂、焼肉パーティーで話の花を咲かせていた。

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 集いでは、李相洛・愛校会幹事の司会で、初代代表幹事を務めた崔洛重、姜明男両氏とともに、李賢一・代表幹事らが20年の歩みと今後について、語りあった。

 20年前、地域の朝鮮学校の教員たちの給料が滞っていることに心を痛めた同胞有志たちが、自分たちの力でこの問題を解決しようと愛校会を結成した。以来20年間、愛校会は毎月決まった金額を学校に贈り、財政面を支えてきた。

 また、減少気味だった朝鮮学校の生徒数を回復させようと、支部とタイアップして同胞の家を回るなど、運動の先頭に立った。

 その一方で、助成金問題を解決するため、行政を訪ね、当時県、市から、1円も出ていなかった状況を打開し、現在1人当たり4万5000円の支給を受けるまでになった。

 こうした活動を振り返り、崔初代代表幹事は「大変な日々だったが、とにかく会員の皆と会うことが楽しかった。当時、何か問題が起きたら、皆で知恵を絞り解決の糸口を探していった。美濃部都政を参考にしようと東京まで行ったこともあった」と、感慨深げに語った。

 また、姜初代代表幹事は「こうした思いを若い世代が継承してほしい」と強調した。

 7年前から代表幹事を務める李賢一さんは、「愛校会はなんと言っても、この地域の学校を支える団体の柱的な存在だ。今は地域に青年商工会や同窓会もでき活発だが、これからも愛校会が担うべきことはたくさんあるし、みんなと協力して地域の力を強くしていきたい」と決意を語った。

 これまで、民族教育に心血を注いできた岡山朝鮮学園の李康烈理事長は「地域の在日朝鮮人社会を活発にするためには、人材を育てる教育の発展に力を注いでいくことが大切だ。地域の朝鮮学校の教育環境をよくするために愛校会が果たしてきた役割は大きい。今後、朝鮮の青年たちが卒業後も、日本社会で同等の権利を得られるように、私自身も努めていきたい」と力強く語った。

 また当日、焼肉パーティの準備をしていたオモニ会について、愛校会を支えてきた影の力も大きく評価された。

 集いの参加者らは、愛校会は地域の誇りであり、この地域の子弟に民族教育を受けさせようと、学校を建てた1世の思いを継承して行こうとする地域同胞の力の象徴である、と口々に語っていた。

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