北、南、海外代表参加し金剛山で民族統一大祝典
民族同士力合わせ6.15共同宣言履行へ
【平壌発=本社記者文聖姫】同族同士つねに出会うことが大切だということをあらためて内外に示した2日間だった。6.15共同宣言発表2周年記念民族統一大祝典が14、15の両日、金剛山で開催された。「わが民族同士力を合わせて統一を実現しよう」との趣旨で開かれた祝典は、和解と団結に向けた流れはせき止められないことを実感させるものだった。
祝典には北と南、海外からそれぞれ200余人ずつの計600余人の代表が参加した。1日目の14日には民族団合大会に続き、15日が端午の節句になることから統一端午民俗行事が行われた。民俗行事では、北南、海外混合からなる「連帯」と「連合」の2チームに分かれて、相撲やリレー、綱引きなど各種競技が行われた。共同宣言にちなんで6.15キロメートルを走るマラソン競技では、朝大生が優勝した。 2日目の15日には各層別の交流会が開かれた。最も盛り上がったのは北と南、海外がそれぞれ準備した文化公演。南から参加した「ウリナラ」は、集会などで統一の歌を専門に歌うグループだが、「エヘヤ統一よ」と題した公演を披露。昨年の8.15統一大祝典のころから歌われ始めたという「京義線に乗って」で場をおおいに盛り上げた。若者を中心に場内からも次々に舞台の下に駆け寄り、肩を組んで統一への想いを込めた歌を歌った。 ラストでは、北側の出演者の音頭で「ウリヌン ハナ(私たちはひとつ)」を参加者全員で合唱。「統一列車は走るよ」の曲にのって北と南、海外の参加者らが作る統一列車の輪が広がった。「祖国統一」のシュプレヒコールはいつまでも途切れることはなかった。祝典は、閉会式で共同アピールを発表して2日間の日程を終えた。この日、参加者らは降りしきる雨の中、九龍の滝まで合同で登山した。 他人の話聞いてはだめ 今回の祝典のキーワードは「わが民族同士」。場内には「わが民族同士力を合わせて統一を実現しよう」「わが民族同士力を合わせて6.15共同宣言を実現しよう」などの横断幕が掲げられた。南の参加者のTシャツには、「わが民族同士統一します! われらの願い」の活字が躍る。 北側の代表として江原道から参加した被服工場労働者のチェ・ボクシルさん(42)は、「血は水よりも濃いというが、やはり同じ民族。統一のためには絶対に他人が中には入ってはだめ。われわれ同士、これが大切です」と強調した。他人とは、米国をはじめとする外部勢力を指すのは言うまでもない。統一実現のためには、外勢を絶対に介在させてはならないという思いの表れといえる。 民族同士力を合わせるためには、今回のような集いの場をひとつでも多く設けることが大切だ。 韓国記者協会のチョン・イルヨン副会長は言論団体同士の交流会の席上、記者同士の交流が大切と強調。文化人、女性など他の交流の場でも同様の意見が出された。また、「以北の人は本当に素朴。とにかくしょっちゅう会うこと。何も特別なことではない。それによって、偏見も先入観もなくなる。今回は海路だったが、陸路でも往来できれば」と全大協進軍歌の作家、ユン・ミンソクさん(39)もこう感想を述べていた。 いまだに残る「痛み」 今回の祝典には、当局が許可しなかったために13人の南の代表が参加できなかった。南側から参加した「6.15南北共同宣言実現と韓半島平和のための統一連帯代表」の韓相烈氏(53)は、「残念なことに参加できなかった代表がいることは、いまだに残る分断の痛みと言わざるを得ない」と演説。「祖国はひとつ、民族は一体/わが民族同士統一しましょう…」と歌詞を変えてアリランを歌い、統一への思いを吐露していた。 米国にある統一問題専門インターネット日刊紙「民族通信」代表のノ・ギルナム氏は、「出会いの自由を保障するためにも、まず国家保安法という障害物を取り除かなければならない」と強調した。 海外同胞の役割 今回の祝典には、海外から219人の代表が参加した。内訳は日本から96人(うち在日朝鮮人は74人)、米国から38人、中国から63人、ドイツから3人、ロシアから7人、カナダから2人、汎民連海外本部から2人。「北と南だけでなく、世界各国から同胞が集まった。公演に参加して一体感を感じた。この思いを日本に戻って多くの仲間に伝えたい。朝鮮人として統一に寄与していきたい」。北関東歌舞団の歌手、具賢雅さん(21)はこう話した。 米国から来た貿易商、チョウ・セギム氏(60)は、「思想と理念の差を乗り越えひとつの民族という観点から、ひとつになるためには何ができるかを、こうした集いを通じて海外同胞の立場から議論を深めていきたい」と語っていた。 |