より広い国交運動を
シンポジウム「北朝鮮問題と日本」
シンポジウム「北朝鮮問題と日本」(主催=日朝国交促進国民協会)が15日、東京の学士会館本郷分館で行われた。
シンポジウムではまず、国民協会会長の村山富市元首相が挨拶を行い、「ブッシュ大統領の『悪の枢軸』発言などにより、2002年を目指して努力してきた国交正常化の見通しがいまだ立っていない」と述べながら、「こういう情勢だからこそ、理性的に対応しながらいい方向に進めなければならない」と強調した。続いて、李鍾元・立教大学教授、徐東晩・尚志大学教授、和田春樹・東京大学名誉教授らが報告を行った。 李氏は、米国の北朝鮮政策をブッシュ政権の世界戦略、米国内の諸事情と関連させて考察しながら、長期化する可能性のある朝米交渉を見越しつつ、日本はいわゆる「北朝鮮脅威論」「中国脅威論」を排除すると共に、日本の非核政策・核不拡散外交を推し進めていくべきだと指摘した。 徐氏は瀋陽事件を含めた「脱北者」問題について報告。一連の亡命事件は、南と日本の支援団体が企画、推進したものであるとしながら、重要な事はこれらの団体が北の人権問題を理由に関係改善に反対していることだと述べた。 和田氏は日朝国交正常化交渉では、過去の植民地支配に対する謝罪、反省、補償と戦後の対立、敵対の構図の解決という2つのブロックが必要だと話した。 報告の後、シンポジウムでは国交正常化のために何をすべきかについての討論が行われた。参加者らは、国交正常化運動のすそ野をより広げていくために努力すべきだと話していた。 |