「アリラン」盛り立てる「総聯対外奉仕団」

安くておいしいと大盛況


 4月末からの大マスゲーム・芸術公演「アリラン」の開始と同時に、「総聯対外奉仕団」による屋外食堂や売店が平壌市内の各所に設けられ、外国人観光客や海外から訪れた同胞、平壌市民らから大人気だ。奉仕団は女性同盟のオモニたちと朝青員らで構成。4月半ばから今月17日現在まで、9陣にわたって祖国を訪問、出店準備を経て活動にあたっている。奉仕団事務局によると、「安くて美味しく、行き届いたサービスにより連日、大盛況で、来店者は平壌の夜を満喫している」と言う。

連日大盛況の平壌ホテル前の野外食堂

 「アリラン」対外公演には、4月末の開幕から1カ月で、50数カ国から訪れた700余の代表団と観光団、国内の市民ら約100万が観覧した。

 平壌市内はまさに「アリラン」一色だ。その雰囲気を盛り上げているのが、市内各所に設けられた野外食堂と売店だ。

 「総聯対外奉仕団」は、高麗ホテル、平壌ホテル、平壌体育館前、青春街に野外食堂を、公演会場の5.1競技場前に移動売店を設置。焼きそばにおでん、ピザ、ワインにビール、サワーなどを販売している。

歌舞団の歌を聞きながら、平壌の夜を満喫するお客さんたち
オモニたちが作る料理は、安くておいしいと評判
接客に追われる朝青員

 開幕から1カ月間、祖国に滞在し、すべての食堂と売店で奉仕を行った朝青京都府本部総務部指導員の金哲奎さん(24)はその様子について次のように語る。

 「どの食堂にも、多くの外国人と海外同胞らが公演観覧後訪れていたが、口をそろえて語っていたのが『素晴らしい』という感想だ。慣れない奉仕活動に当初はとまどいもあったが、 ご苦労さん がんばって というエールや、お客さんの満足した表情に励まされ、やりがいを感じた。祖国に尽くす喜びも得られた」

 訪れる人々に大きな反響を呼んでいる奉仕活動だが、その要因について女性同盟東大阪南支部非専従副委員長の鄭照子さん(60、高麗ホテル前の野外食堂で奉仕)は、「民族と祖国の素晴らしさをアピールしようと、女性同盟と朝青が一致団結して昼夜をいとわず奉仕に努めたから」と述べながら、「いかに難しいことでも力を合わせて乗り越えようとする青年たちの姿から、同胞社会の未来に対する期待も抱くことができた」と強調する。

 また奉仕団による食堂では、全国7地域の朝鮮歌舞団が2次に分かれて、37回の巡回公演を行い、延べ約3万人が観覧した。

 兵庫朝鮮歌舞団団長の李貴志さん(32)は、「公演の噂を聞き、時には1500人が見に来たこともある。歌や踊りを通じて、観客とひとつになることができた。それに奉仕団を励ますこともできた」と意義を強調していた。

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 奉仕団の中には、公演開幕中の2カ月間祖国に滞在し、奉仕活動を行う人もいる。新潟に住む李栄南さん(25)だ。また広島在住の余慶順さん(42)は、2カ月間奉仕を続けようとしたが、6月初めに日本に戻り、同胞をはじめ日本市民らに「アリラン」の感動を伝えながら、観覧を呼びかけているという。

 今回、初めて祖国を訪れた「甲順さん(52、女性同盟北海道札幌・南分会分会長)。「日本のマスコミは、朝鮮は『生活が厳しい』と報道していたが、人々の表情はとても明るかった。ひとつに団結すれば、できないことはないことを公演、そして奉仕を通じても確認することができた。祖国を愛する心を大切にし、支部、分会活動に励んでいきたい」と感想を述べていた。

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