日・朝・韓の作家による「アリランの主題による変奏曲」集

「アリラン」コンサートと講演、14日、東京で


 歴史的な北南首脳会談実現から2年を迎え、14日、東京・中央区の第一生命ホールで、日・朝・韓の作曲家たちによる「アリランの主題による変奏曲」集が開かれる。

 林光(作曲家=日本)、金煉甲(ハン民族アリラン連合会常務理事=韓国)、金学権(朝鮮民主主義人民共和国功勲芸術家=在日)ら著名な音楽家が発起人となり、朝鮮半島の自主的平和統一とアジアの平和、アリラン民族自主の理念で6.15共同宣言を実現することを願って開かれるこのイベントでは、北南を結び、玄界灘も渡る歌「アリラン」のコンサートと講演が行われる。

 いまなぜアリランなのか、アリランとは、アリランと日本民謡との関わりなど、当日、「アリラン」について講演するのは、在日作曲家の金学権さん。金さんは「分断国家ゆえに本国では今なお、北は南、南は北の資料を自由に見ることができない状況にある。しかし、海を越えて日本では南北双方の協力のもと資料を取り寄せ、アリランについて丹念な研究を重ねることができた」と話す。

 イベントではまた、南・北・在日コリアン作曲家たちの「アリラン」をテーマにした変奏曲と、林光、池辺晋一郎、寺嶋陸也をはじめとする日本人作曲家10人の合作によるアリラン変奏曲も披露される。

 北・南・在日がアリランをテーマに創作した作品では、それぞれの個性がはっきりと表れ見ごたえがあると金さんは言う。鄭権さん(北)の作品は、オーソドックスでポピュラーな「アリラン」を基調にしたものでテーマをよく生かしている、金成哲さん(南)の作品はそれとは対照的に超現代的にアレンジされたもので、曲全体で聞くとアリランの風情が伝わってくる。「我が心情的」と題された金さん(在日)の作品には、悠久、離別、望郷、玄界灘、蘇生、楽天的、意思、鎮魂、怒り、前進、統一と、「在日の物語」が込められている。

 「アリラン」は、世界中が注目したシドニーオリンピック開会式の南北合同入場曲としても使われた民族の歌、統一の歌でもある。

 北・南・在日そして日本が織り成す万華鏡のような音楽の和を楽しんでみてはいかがだろう。

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 6月14日(金)18:20開場、19:00開演。第一生命ホール(東京都中央区晴海トリトンスクエア内、都営地下鉄かちどき下車)。入場料:4000円、全席自由。主催:外務省認可第9号(財)文化建設会、且O響堂。後援:讀賣新聞。問い合わせ:且O響堂TEL 045・844・3555。チケット取り扱い:チケットぴあTEL 03・5237・9990。

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